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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。
先週の水曜日、2月7日に「2017年度岩手競馬年度代表馬等選考委員会」開催され、年度代表馬をはじめとする競走馬各部門の表彰馬が選出されました。 年度代表馬はラブバレット。4歳以上最優秀馬と、今回から新設された最優秀短距離馬の二つの部門でダブルタイトルを獲得。2年連続の年度代表馬となりました。 ★2年連続で年度代表馬に選ばれたラブバレット 今シーズンの岩手での勝利は栗駒賞と岩鷲賞の二つの重賞に留まり、それは昨シーズンと同じだったラブバレットなのですが、笠松グランプリ3連覇となる勝利、クラスターカップ・兵庫ゴールドトロフィーの共に2着をはじめダートグレード入着4回と質的には昨シーズン以上の戦いを演じ続けました。その点が評価されての4歳以上最優秀馬であり年度代表馬です。 2歳最優秀馬はチャイヤプーンが選ばれました。 今シーズンの2歳世代は抜けた馬がおらず重賞勝ち馬も毎回変わる状況。交流戦も全て他地区の(というか北海道の)遠征馬に獲られてもいます。そんな中で、シーズン終盤とはいえ寒菊賞・金杯と重賞2勝を挙げた点は高く評価できるものでしょう。 ★2歳最優秀馬は重賞2勝のチャイヤプーン 岩手デビューでない馬が2歳最優秀馬に選ばれるのは2012シーズンのブリリアントロビン以来になります。その年の2歳戦線も今シーズン同様混戦模様だったのですが、翌シーズンの3歳戦線にもその影響が残り、2013年の岩手ダービーダイヤモンドカップを制したのは5月に転入してきたばかりのヴイゼロワン、秋の不来方賞を勝ったのは牝馬のコウギョウデジタル。そしてダービーグランプリは1着から5着まで遠征馬に独占されて終わっています。その点で来季の3歳戦線がどうなっていくのか?がちょっと気になりますね。 3歳最優秀馬はベンテンコゾウ。この馬も地元では奥州弥生賞とA級特別の2勝に留まったのですが遠征で活躍した点が評価されての選出です。 ★3歳最優秀馬は“北海道二冠”のベンテンコゾウ ベンテンコゾウは桐花賞2着後に船橋に移籍しており、2月8日の初戦を快勝しました。南関A2級のレースでしたがレベルは決して低くなく、これであればこの後の南関東での活躍を期待したいところです。 芝の活躍馬である最優秀ターフホースにはコウセンが選出されました。 転入初戦の桂樹杯を優勝、OROカップは3着に終わったもののハーベストカップ・OROターフスプリントと芝1000mの重賞を2勝。のべ重賞3勝は今シーズンの中でトップクラスの戦績です。 ★芝1000mのレコードホルダーとなったコウセン しかしその戦績もさることながら、インパクトが強いのは“芝1000mの新レコードを樹立”した点ではないでしょうか。 ハーベストカップで叩き出したそのタイムは57秒7。それまでのレコードが57秒8であり短縮したのは0.1秒・・・なのですが、その旧レコードが出たのは1996年の事。21年ぶりに突破された、それももしかしたら今後ずっと突破される事がないかもしれないと思われたタイムが。それも重馬場で・・・という走りは驚異的ともいえる出来事でした。 それだけでなく続くOROターフスプリントでも57秒8というタイムを出したのは驚きでした(その時もまた重馬場で!)。 8歳となった新シーズンですが、良馬場で芝1000mを走る機会があったならどんなタイムを出すのでしょうか? 最優秀牝馬に選ばれたのはユッコです。シーズン中の勝利は4勝、重賞の勝利こそ1つに留まりましたがその勝利はシアンモア記念。レース史上3頭目(岩手所属馬としては2頭目)となる牝馬による勝利は価値が高いものでした。 ★ユッコはシアンモア記念M1を制した シーズン後半は苦戦が続きましたが昨シーズンもそのようなところがありました。であれば今シーズン前半のように復活も期待できるのでは。 そしてもう一頭、ビュレットライナーが特別表彰に選ばれています。 ★“日本最後のサンデーサイレンス産駒”ビュレットライナー 先日のこのブログでも書いたように同馬は日本で最後となるサンデーサイレンス直仔の現役競走馬となり、“最後の勝利”も岩手で挙げました。その価値が評価されての選出です。 これら馬たちや騎手・調教師、厩務員さんたちが表彰される『2017 IWATE KEIBA AWARDS』は3月7日(水)に開催されます。ファンの皆さんもぜひおこしください。 今回の各部門の選出は難しいのではと想像していましたが終わってみれば納まるところに納まったという印象です。 もちろん他にも、例えばキングジャガー、岩手ダービーダイヤモンドカップと不来方賞の2つの3歳M1を含む重賞タイトル4つを獲得した彼や、13シーズンぶりにみちのく大賞典と桐花賞を制したエンパイアペガサス、春・夏・冬とシーズン全般にわたって好走してきたイーグルカザンらも部門賞に選出された馬たちに勝るとも劣らぬ戦いを見せていたと思っています。 このような各部門に一頭しか選べない形ではどうしても陰に隠れる形になってしまいますが、これらの馬たちの走りも記憶に留めておきたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年02月16日 02時53分52秒
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