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カテゴリ:古谷 剛彦
金曜日は古谷が担当します。
16日から函館競馬が開幕。週末は函館で過ごしましたが、寒いとは聞いていたものの、想定していたより寒い週末でした。北海道に住んでいる身とすれば、車で移動する際、余分に服などを積んでいるので、コートも持っていたのが功を奏しました。色んな方に会うと「準備がいいね」と言われましたが、そう言いたくなるのもわかるほど、想定以上の寒さに驚く人たちが多かったのが印象的でした。 開幕週を飾る「函館スプリントS」は、セイウンコウセイがG1馬の底力を見せ、逃げ切り勝ちを収めました。チークピーシズを着用した効果もあったと思いますが、内枠から迷わず逃げて、そのまま押し切った辺りは、馬の力を信頼した池添騎手の好プレーだったと思います。 この日曜は、15,432人の入場者数を記録しました。2010年にリニューアルオープンをしましたが、それ以降では入場者レコードとなりました。他の競馬場に比べれば少ない人数かもしれませんが、その分スタンドも小さく、街の規模や交通網を考えると、人口密度は濃く、1Rから大いに盛り上がっていました。その盛り上がりを、この後も続いて欲しいと思います。 さて、ホッカイドウ競馬は今週、2日間開催でダブル重賞でした。20日は3歳三冠の第2戦「北海優駿」、21日は牝馬重賞「ヒダカソウカップ」です。「北海優駿」は、ウェブハロンで斎藤修さんが詳細を書かれていますので、こちらもご覧下さい。今年の各地のダービーは、1番人気が苦戦を強いられ、岩手だけが1番人気で勝ち上がっていました。「北斗盃」の圧勝から、サザンヴィグラスが1番人気に支持されていましたが、引っ掛かる気性から距離延長が必ずしもプラスとは言えず、少し心配な面もありましたが、スタートしてやはり引っ掛かってしまい、その影響で4コーナーでは手応えがなく、早々と脱落してしまいました。 1日を通して風が強く、向正面は追い風、直線はアゲンストという状況の中、上がりがかなり掛かるタフな競馬。中団にいたカツゲキジャパンは、向正面でスルスル内から位置を押し上げて行くシーンがありました。 「切れる馬ではないので、ペースが落ち着くところで位置を上げていこうという意識は持っていました。それが上手くいったと思います」 と桑村騎手。今やホッカイドウ競馬の確たるリーディングジョッキー、状況判断が素晴らしく、見ていて面白い競馬をすることが増えてきたと思います。不動のリーディングを続けていた時期の五十嵐騎手や、栃木から北海道に来たばかりの山口竜騎手が、それまでのホッカイドウ競馬のレースとは違い、色んな状況で馬の個性に合わせてレースを作ることが多かったんですが、その時のトップジョッキーたちが演じてきたレースを、今の桑村騎手は実際に行っている印象を受けます。 三冠最終戦「王冠賞」は、1F短縮されて1800mで行われます。距離短縮でサザンヴィグラスが巻き返すか…。ダービー馬の意地をカツゲキジャパンが見せるのか…。伏兵の台頭が見られるか…。楽しみな最終戦となりそうです。 そして「ヒダカソウカップ」は、今季ホッカイドウ競馬に移籍してきたディナスティーアが、実績馬たちを直線で退け、3馬身差の完勝。騎乗した山本咲希到騎手とともに、人馬の重賞初制覇となりました。 (ヒダカソウカップを制したディナスティーア) 6歳牝馬のディナスティーアは、JRA時に川崎の未勝利交流を制したのが唯一の勝利。500万でも堅実な走りは見せていましたが、ホッカイドウ競馬に移籍してこれほどまでに一変するとは予想もできませんでした。 「ゲートに課題があった馬のようで、地方競馬では尾上げ(尻尾を持つこと)ができますから、その対処ができるのが大きいと思います」 と松本師は話していました。少し話は逸れますが、プリサイスエンド産駒やエンパイアメーカー産駒など、元々ゲート難の馬たちが多い血統だと、ゲート練習や能検などで全く素振りを見せていなくても、用心のために尾上げをするという話をよく聞きます。地方競馬では、ゲート難の馬たちを再生できる術があり、このことで本来の能力を出し切るケースは、決して少なくありません。浦和の小久保師も、尾上げのプロフェッショナルです。 ディナスティーアは、環境も合っていたのでしょうが、尾上げができる地方競馬だったからこそ、再生できたんだなと思いました。 「こちらでは初めてのマイル戦でしたが、折り合いもついていましたし、距離に対する不安はありませんでした。この後、距離が延びても対応してくれると思いますし、重賞を勝ったことに恥じない競馬を、次走以降でも見せることができればと思います」 と、山本咲騎手。デビュー4年目での重賞初制覇でしたが、一昨年の終盤から頭角を現し、昨年も32勝と成績を上げてきました。19日には船橋から始まった「2018ヤングジョッキーズシリーズ」で第1戦を制し、地方競馬東日本地区の1位になっています。飛躍の年になるか、山本咲騎手にもぜひ注目して下さい! ホッカイドウ競馬は来週、いよいよ2歳重賞「栄冠賞」が28日に行われます。全国最初の2歳重賞で、昨年は1着サザンヴィグラス、2着ハッピーグリン、3着ヤマノファイトと、上位馬はその後も大活躍を収めています。歴代の勝ち馬でもオリオンザサンクス、エンゼルカロ、マサノミネルバ、ネフェルメモリー、オノユウ、クラーベセクレタ、シーギリヤガール、ノットオーソリティ、ティーズアライズ、タイニーダンサー、バンドオンザランと、ダートグレードや南関東重賞、JRAなどで活躍を収めた馬がズラリと並んでいます。将来のスターホースを、ぜひ発掘して下さい! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年06月24日 11時46分24秒
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