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2018年08月09日
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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。

 最初にこちらのお話から。
 7月29日の盛岡競馬に出走し2着となった馬から禁止薬物が検出されました。当該馬は現時点で失格になっており、また当該馬が所属する厩舎から出走する予定だった他の馬については8月4日の9Rから公正保持のため競走除外となりました。

 岩手競馬では近年、禁止薬物の検出が何度か起きており、再発防止に努めてきた中での今回の出来事は非常に残念であり、同時にファンからの信頼を失う事態が繰り返されたことも非常に残念です。
 念のために付け加えるならば、当該馬を含む同厩舎の馬はその後再検査を受け、全馬陰性という結果が出ています。ですがこうした事態が起きないよう、実のある再発防止策が必要でしょう。

 今回検出されたボルデノンという薬物はアナボリックステロイド、「筋肉増強剤」という事で報じられました。
 筋肉増強剤すわドーピングかと目を惹いた面があるかもと思いますが、競走馬や乗馬ではボルデノンは、筋肉増強というよりは食欲増進を目的として使用される場合があるようです。というかそれがほとんどだと思われます。
 禁止薬物が検出された当該馬は対象となった7月29日の2着以外にも今季に2勝と2回の2着という採尿対象になる結果があり、その際には陰性だったことから、そして今回の事件後の検査でも陰性だったことから、いわゆる一般的なイメージ的な“継続的にアナボリックステロイドを投与して筋肉ドーピング”という事はなかった・・・というのは想像できる(ステロイドの中でもボルデノンは馬の体内から排出されるのに比較的長い時間・・・数十日単位で・・・がかかる物質とされているそうです)のですが、逆にではなぜ今回検出されたのか?が疑問にもなります。原因究明と実効ある再発防止策の確立がやはり必須です。


 さて、このお盆の盛岡競馬は12日日曜、月曜日を空けて火曜・水曜の3日間という変則開催になります。
 12日は2歳重賞若鮎賞、15日にはクラスターカップ、桂樹杯、そしてヤングジョッキーズシリーズが目一杯に詰め込まれて盛りだくさんとなっております。
 周りでいろいろやっている身からすると15日はですね、8R・9Rがヤングジョッキーズシリーズ、10Rがクラスターカップ、11Rが桂樹杯という4レース連続でめちゃくちゃ慌ただしいんですよね。どこかで1レース分でも間が空くと楽なんですけども・・・。
 まあでも、お客様には4レース一気に楽しんでいただけて良いのかなと思います。2時間くらいの間、岩手競馬に没頭していただければ。

■若鮎賞(8月12日・12R)
 12日に行われる若鮎賞。今季最初の2歳重賞は芝1600mという条件で行われます。1着馬から3着馬にはジュニアGPへの優先出走権が与えられるトライアルであり、実際若鮎賞の上位馬はジュニアGPでも上位に健闘する事が多い関連度の高いレースでもあります。
 例えば昨年、2017年のの若鮎賞勝馬ベストロードはジュニアGP3着。一昨年は若鮎賞3着だったダズンフラワーがジュニアGPを制していますし、2015年は若鮎賞勝馬メジャリーガーがやはりジュニアGPで3着でした。例年、遠征馬が強敵になるジュニアGPなのですが、地元勢はこの若鮎賞からという事になるでしょう。

 若鮎賞の中心は、今回はやはり7月28日に行われた芝1600mの一般戦から転戦する馬たちでしょう。そのレースを勝ったミラクルジャガー、2着オウレリアはいずれも芝の新馬勝ちもしており芝実績でも優位。3着サンエイゼウス、4着マイラバーも盛岡の芝と相性が良いシンボリクリスエス産駒ということで注目できそうです。


★ミラクルジャガー

 別路線組では水沢850mの新馬戦を勝っているウィズジョイが注目馬になるのですが同馬は水沢1400mのJRA認定戦に向かう公算。となれば芝1000mの新馬戦を勝ったサンエイフラワー、ブリュレが先の馬たちを追う存在になるのではないでしょうか。


★サンエイフラワー


■桂樹杯(8月15日・11R)
 こちらは古馬の芝1600mの準重賞になります。準重賞という格付けですが、3着までにOROカップの優先出走権が与えられるトライアルであり重要度は昨年と変わりありません。
 注目馬としては昨年のこのレースの覇者コウセン、そしてせきれい賞3着など芝での実績を作りつつあるエイシンエルヴィンがまず挙がります。
 コウセンは盛岡芝1000mのレコードホルダーですがマイルあたりも守備範囲にしているのは証明済み。昨秋以来の芝戦に力が入るところ。


★コウセン(17年OROターフスプリント優勝時)

 エイシンエルヴィンも芝のマイルあたりが合うのでしょう。サンエイゴールドを破った走りができれば上位争いができるはずです。


★エイシンエルヴィン(OROターフ特別優勝時)

 他では、昨年のオパールカップなど芝重賞2勝のブラックロード、かきつばた賞やせきれい賞で上位争いをしているリュイールスター・ロキが盛岡の芝での経験値から目を向けるべき存在になりますが、転入後初の芝戦に挑むオースミチャドがどんなレースを見せるかにも注目です。

■クラスターカップ(8月15日・10R)
 今年はJRA勢5頭、地方他地区4頭、岩手勢5頭の構図になりました。昨年の優勝馬ブルドッグボスも当初登録があったのですが回避となり、昨年3着馬サイタスリーレッドも補欠から繰り上がれず。今年は、14頭の中でさらに絞るなら、JRA勢対岩手のラブバレットという事になるのでは。
 JRA勢では、ダートグレードでの実績ではブライトラインが最上位と言って良いのでしょうが、同馬は前走が1年の休養明けで今回どこまで調子を上げてきているか?が最初の課題。今回は、大井1200mに良績があるネロ、前走のカペラS勝ちでタイトルを手にし勢いに乗るディオスコリダー。先行力があり短距離適性も高いこの2頭が有力でしょうか。


★ネロ(東京スプリント出走時)

 ラブバレットは栗駒賞の後の岩鷲賞をスキップした影響がどれだけあるか?でしょう。間隔を取る事ができる形になった分、良い方向に働いていると思いますけども、まずは直前の、そして当日の状態面・気配面に注意しましょう。


★ラブバレット(栗駒賞優勝時)





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最終更新日  2018年08月10日 04時46分29秒



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