今日は耳目社山中が担当します。
酷暑からひとまず解放され、今日の大井競馬場は過ごしやすい陽気。
人にとっても馬にとっても、厳しい夏が過ぎ、
ここからは年末まであっという間…とは言いませんが、
夏のローカル競馬が終われば
秋のG1
→JBC
→ジャパンカップ
→有馬記念・東京大賞典まで一気に来ちゃいますね。
早いですねぇ。
先週の火曜日に金沢競馬場で行われた、
第37回読売レディス杯の実況を担当しました。
朝方強い雨が降り、1R開始の頃はゴール前に大きな水たまりが。
メインレースの頃にはお天気回復しましたが、馬場状態は不良。
展開が目まぐるしく変わる激しいレースとなりましたが、
勝ったのは大井のジェッシージェニー。
プリンセスバリュー、エースウィズに続いて3年連続大井勢が読売レディス杯制覇となりました。
(結果は→こちら)
(表彰式の様子)
騎乗した藤田凌騎手、管理する福永敏調教師に大井競馬場でそれぞれお話を伺いました。
5~6日ほど経ってからレースを振り返っていただきました。
重賞初制覇となった藤田凌騎手
―先週の火曜日から時間は経ちましたけど、重賞制覇の実感は?
実感はあまりなかったですけど…。
―いろんな人から連絡が?
むちゃくちゃ来ました。こんな人から連絡来るんだ!ってくらい。
2年くらい連絡とってない人からも来ました。
そういう意味では、実感が沸いたというか、
大きいレース勝ったんだな、目立つレースを勝ったんだな、って思いました。
―重賞の騎乗経験は?
この前のサンタアニタトロフィー(モンスターキング)だけですね。
トライアル勝って、本番も。
―その経験があって、金沢で重賞だからって特別に意識することはありましたか?
一切なかったですね。
―ジェッシージェニーの普段の力を出そうと
そうですね。それしか考えてなかったです。
―力を出せたから、結果につながった?
そうだと思います。
―ガッツポーズは思い通りにできた?
まあ、あんなもんじゃないですかね。
3~4コーナーでグンと行って、「あ、これ勝つな」と思って、
「あ、ガッツポーズどうしようかな」って直線追って。
そしたらあんな感じになりました。
―北陸の美味しいものは?
楽しもうと思ったんですけど、帰りはめちゃめちゃバッタバタで。
あと2分、どこかで遅れてたら新幹線間に合わなかった…って感じで、全く余裕がなく東京に帰りました(苦笑い)。
表彰式やっても、これなら間に合うよね、って感じで切符を取ったんですけど、全然間に合わなかったです。バッタバタでした、ホントに。
(20日、エキストラ騎乗の合間にパチリ)
藤田凌騎手には、翌21日に行われたヤングジョッキーズシリーズ門別についても伺いました。
―先週火曜日は金沢、水曜日は門別と忙しい2日間でしたが、振り返って?
忙しかったけど、色々なところで乗れて楽しかったですね。
―どちらの競馬場も右回り。地元大井や、騎乗経験のある佐賀・高知と同じですが、騎乗した印象は?
金沢競馬場は、エキストラ乗せていただいたときに、ペースの上がり方とかが小回り特有の、佐賀とか高知みたいな感覚で行けるんだなと思って乗りました。
門別競馬場は、大井競馬場と同じ感じですけど、大井よりコーナーは乗りやすかったかな。
直線が大井より短い分、コーナーはゆったり取ってある感じで…特に1つ乗った内回りは違いますね。乗りやすかったです。
そういうところを感じながら、焦らず乗ることができたかな、と。
―藤田騎手の今後の目標は?
今年はヤングジョッキーズシリーズのファイナルに進出したいので、
2か月先の川崎(11/19)に向けて全力投球。
そして、今回他地区で重賞を初めて勝てたんですが、こちらでも重賞に乗れるように頑張って行きたいです。
―今年は一戦一戦が勝負!
何とか門別で首の皮一枚つなげることができた、って感じなので。
川崎の自分の結果と、自分が良いポイント取っても上位の結果次第にはなりますけど。
―川崎は1クラの予定
そうなんですよ。そこが2クラなら違うんですけど。
僕はもう取りこぼせないです。
―若い人同士で集まると、負けられないという気持ちになりますか?
僕はあまりそうは思わないですけど、レースの流れが、こっちで先輩たちと乗ってるときとは違うかな、と感じます。
―1着を狙うレースに?
そうなりがちだと思います。雰囲気はちょっと違いますね。
(25日日曜日収録)
そしてジェッシージェニーを管理する福永敏調教師にもお話を伺いました。
(レース当日は北海道に滞在)
―レースはどのようにご覧になってましたか?
砂被っても脚は使えるのは分かってたので。
ただ小回りだし直線も短いので、道中なるべく置かれないようにはして欲しいな…と矢吹調教師補佐から藤田凌騎手にお願いしてたんですけど。
ジョッキーがレース後のインタビューで言ってたように「やっちゃったな」と(笑)
―ちょっと後ろからになっちゃいましたね
エキストラ騎乗をオーナーサイドで用意してもらったおかげで、彼自身で位置取りとかコース取りを事前に勉強できてたんで、自信を持ってた乗り方かなと思います。
―期待以上の結果ですか?
やっぱり各地のオープン馬相手なんで。
でもジェッシージェニー自身、中央で新馬勝ちした後伸び悩んでましたけど、こっちで凌君で勝ったあとから何となく軌道に乗ってきて、馬も揉まれても問題ないし、ちょうど逞しくなってきてる、力をつけてきてるときにレースだったのかなと思うんですけど、予想以上に力をつけているのかな、と思います。
それプラス、今回は凌君のファインプレーもあるのかなと。慌てないで、内目をあれだけ強気に上がって行けるっていうのは。
(口取り)
―今後は?
名古屋の方(秋桜賞・9/19)に、選定されれば。
グランダムジャパンをもう1戦。そこに行ってみようかと。
―ベストの距離はこれくらいですか?
適性はまだつかみかねてるところはあるんですけど、道中引っかかる馬でもないですから、機会があればもう少し長いところも、対応できるのかどうか、そこは試してみたいと思ってます。
現状は、1400mで勝っていて、この前(読売レディス杯)は1500mですけど、大井で2戦目の時の1600mもモマれながらも、負けても内容は次につながるレースをしてくれてそれが初勝利の時には生きてたんで、距離は行く行くはもう少し延ばしてみたいと思っています。
中央でもそれほど回数使ってないですし、新馬勝ちするくらいの馬ですからね。本来力はあったんでしょうけど。
馬体調整、馬体の維持がすごく課題になってたみたいで、4歳になって少しずつですけどその辺り大人になって、すごくテンション上がっちゃう仔なんですけど、その辺り維持できるような、馬の方も成長してくれてます。外出てって、金沢でもそういうテンションの中で、結果を出せたってことは、ジェッシージェニー自身成長してる部分だと思いますし、まだまだ成長の余地はあるのかなと思ってます。
―また楽しみにしております。
そうですね、また頑張ります!
(26日月曜日)
(レースのパドックにて)
更に長い距離、地元大井のレディスプレリュード(10/3)も視野に入っているというジェッシージェニー。
この先も、大活躍を期待してます!