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2019年09月19日
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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。

 先週の岩手競馬は3歳芝の準重賞・2歳芝の重賞・3歳のダート重賞と重賞・準重賞が3連発。まだ少し蒸し暑い感じも残っていたものの秋らしい天候が続いた事もあり、慌ただしいながらも盛り上がった3日間だったのではないでしょうか。
 中でもやはり不来方賞。好レースになりましたよね。


★不来方賞優勝/ヤマショウブラック

 “3歳最後の一冠”を狙ってか有力馬が続々と再転入し、勢力図が大きく変わって迎えた不来方賞。昨年の知床賞を制したのち南関東に移籍していたヤマショウブラック、同じく昨年の若駒賞を制したのち東海-金沢と移りつつ岐阜金賞を勝ってきたニューホープ。やまびこ賞でパンプキンズを破っているグレートアラカーは南関から岩手に戻ってきたものの出走せず、3歳牝馬チャンピオンエムワンピーコもここには出走せずという事でトップクラス完全集結とはならなかったものの、ダイヤモンドカップまでとは大きく様相が変わっていました。
 レースも、その有力馬たちがそれぞれ自らの持ち味を発揮して、発揮しきっての戦いとなりました。

 前半1000mを1分6秒台のスローペースに持ち込んで逃げ切りを狙ったパンプキンズ。それをギリギリの位置で攻めたニューホープ。いったん置かれかけながらもしぶとく伸び脚を繰り出して最後は差し切ったヤマショウブラック。
 ヤマショウブラックの末脚は見事でしたね。向こう正面では鞭を入れながらも置かれ気味の5番手。なかなかエンジンがかからず直線の坂にかかってもまだ離れた3番手だった時には同馬を管理する小林俊彦調教師も「さすがにもう間に合わない」と諦めかけたそうですが、そこから一気に伸び脚を発揮してニューホープを捉えてしまいました。
 レースの記録としてはニューホープの上がり3ハロンが38秒2に対しヤマショウブラックのそれは37秒2となっていますけども、残り100mくらいだけならもっと差がある、もっとヤマショウブラックが伸びていた印象があります。

 自分は割と単純に「ヤマショウブラックが差し切る」と思ってヤマショウブラックメインの写真を撮っていましたが、着差は思った以上に僅差でしたね。ヒヤヒヤものです。
 高松亮騎手もレース後に「勢いはあったが、交わしたのはゴール板を過ぎてからか・・・とも思った」と言っていました。鞍上の騎手は写真判定になるような接戦でもすぐに“勝った・負けた”を判別してしまうものですが、それでも一瞬迷ったというくらいなのですから、それだけヤマショウブラックの最後の伸びが強烈だったという事なのでしょう。

 レース後のドラマも、本当に劇的でした。

 引き上げてきたヤマショウブラックと高松亮騎手を両手を突き上げて出迎えた小林俊彦調教師。




 馬を下りてそのまま小林俊彦調教師に抱きついた高松亮騎手。


★あとで「砂だらけで抱きついて、汚してすいません」と謝っていた高松亮騎手なのでした

 馬が帰ってくるまでは普通に喜んでいたのに、馬の手綱を取った瞬間号泣してしまった担当の菊地厩務員。





 改めて見てみれば皆が不来方賞初勝利。小林俊彦調教師は騎手時代には不来方賞を5勝していますが調教師になってからは初めてです。それもあってのそれぞれのこの喜びよう。これはもう心からおめでとうございましたと言うほかはない。激闘の後にふさわしいシーンでした。

 次戦はダービーグランプリ。南関の強豪3歳は来なかったものの、北の三冠馬リンゾウチャネル、兵庫のダービー馬バンローズキングス、金沢の3歳最後の一冠を勝ち抜いてきたタンクティーエー、さらには“夏のダービー”といえる黒潮盃を制したリンノレジェンドらさらなる強敵が登場を予定しています。ヤマショウブラックがどんなレースをしてくれるか?小林俊彦調教師は「ダービーグランプリではあくまでも挑戦者の立場」と言いますが、そこでの戦いはこの後のヤマショウブラックにとって大きな糧になるような気がします。




 今回はヤマショウブラックが栄冠を手にしたわけですが、レースのどこかで何かちょっと違う事が起きていれば、この3頭の中のどの馬が勝ち馬になっていてもおかしくなかったとも思います。
 パンプキンズは距離とコースを意識して前半はセーブして後半の粘りに賭けた戦いだったのでしょうし、ニューホープは前のパンプキンズ・後ろのヤマショウブラックそれぞれに対応すべくギリギリのタイミングで攻めたと思います。パンプキンズがもう少し粘っていたとしたら終盤の様相はだいぶ変わっていたでしょう。ニューホープの攻め方がもう少しだけ早いか遅いかすれば、それでもやはり結末が変わっていたように思います。


★一週目のスタンド前を通過するパンプキンズとニューホープ

 そもそもヤマショウブラックのエンジンの掛かりがあと0コンマ何秒か遅かったら、最後届いていなかった可能性もあるわけですから。
 今となったら“タラレバ”ですが、違う結果の不来方賞もあったのかもしれない。それだけの馬たちだったし、そんな馬たちがしのぎを削り全力を振り絞った本当に良いレースでした。


 さてもう一つ、気になる人には気になる話題。水沢競馬場の砂の入れ替え工事が10月5日から8日にかけて行われる予定です。ダーグラの追い切りが終わった後になる頃に始まって、南部杯の追い切りが行われる前に終了する計算ですね。
 今までの水沢競馬場のコースは速すぎるくらいに時計が出て、通常の平均的なタイムより2秒3秒速いという状態が続いていました。下級条件でもレコードに迫るようなタイムが出ていましたからね。特に雨が降った時の状態が良くなかった。
 昨年入れ替えたばかりでしたので2年連続の入れ替えは費用的には良い話ではないのですけども、馬に悪影響が出ないコースになってくれれば。それでようやく冬競馬も迎えられるのかなと。
 「水沢競馬場の砂の状態が良くないそうだから」と岩手への転入を躊躇されていた馬主さんたちが、これで安心してもらえるようになればいいのですが。




 つい先日までは暑い暑いと言っていた岩手も今月中には最高気温が20度を超えないくらいになりそうです。秋の訪れは本当に急。あっという間に寒くなりそうです。





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最終更新日  2019年09月20日 04時12分14秒



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