2020/03/11(水)15:27
無観客でも 人馬ともにアツい名古屋
水曜日の担当は、坂田博昭です。
3月11日です。
本来ならば、色々思いを巡らせるべき日。
しかし…いまの世の中の雰囲気は、その3月11日のあとよりも絶望的にすら感じられます。
厄災の程度としたら、比べものにならない。
でも、ムードとしたら、相当悪い。
ひとびとが「何もしない」「何も出来ない」「何もしちゃ行けない」みたいな方向に行くと、ひとびとの世の中ってこうなるのかと、思い知らされています。
9年前。西日本は「そのあと」も随分元気でした。
しかしいまは、世界中で色んな物事が止まっている。
止まった分だけ、このあと…ですよね。
競馬の世界は、まだ無観客とは言え競馬をやれているだけかなりよい。
それでも相当に苦しいのだけれど、それでも競馬をやれている。
競馬の周りにいるものの一人としては、その有り難さを身にしみて感じています。
帯広、来週も行きます。
アホみたいなこと(苦笑)、真剣にやってます。
競馬を契機に「なくてもいい、でも必要なもの」をひとびとに届けること。
そして、なにか「動いていかないと」という想い。
賛同していただける方は、今週土曜日からの「もうひとつのばんスタ」も是非ご覧頂き、私たちと一緒に競馬をお楽しみ下さい。
さて。
昨日10日火曜日。名古屋競馬場に取材に出かけてきました。
名古屋競馬場も勿論、無観客での開催。
(以下の写真は全て、主催者の許可を得て報道用に撮影しています)
名古屋競馬では、本場の外向け発売所では払い戻し業務を行っています。
取材のため、場内に入れて頂きました。
レース中も、競馬場オフィシャル広報の写真撮影部隊がいるだけ…
名古屋はこの日、2週前の開催途中から数えて無観客開催3開催日目。
騎手に聞いてみると、もう違和感云々という話でもないみたいです。
それでも、レースに乗りに来ていたある笠松所属の騎手に話を聞くと
「笠松の時は気にならなかったけれど、名古屋の方がちょっと気味が悪い感じがしますね…」
恐らく、周囲の風景が違うからなんじゃないかと思います。
それでも、レースは元気よく行われております。
昨日は酷い雨降りだったんですが…身体的にも大変な中、騎手も、調教師や厩務員など馬のまわりのひとびとも奮闘。
稼働している中では現在日本の競走馬の中で最高齢16歳
ヒカルアヤノヒメ
この日も元気よくレースで走りを披露していました
宮下瞳騎手 現在名古屋リーディング なんと2位!
2日後に迫ったレディースヴィクトリーラウンド(LVR)最終戦について水を向けると
「(無観客は)寂しいですね…歓声がないと。息子たちが応援に来られなくなって残念…」
…というのが第一声。
「地元の利を生かしたいですね。(シリーズは)若い人たちが多くて…私はすみの方に隠れて頑張ります。」
……すみに隠れてたりなんか、しないでしょ…(笑)
佐賀では奮わず、LVRの総合ポイントランクは2位に後退しましたが、きっと名古屋ではまた存在感を示してくれるのではないでしょうか。
2レース ニシジャングルで勝利 木ノ前葵騎手
この日9鞍騎乗。なかなか話が聞けませんでした。
全部のレースが終わって、弥富に帰るバスに乗る前に一言もらおうとしたところ…
少し考えて…静かに右手を胸のところまであげて、ギュッと「がんばるポーズ」。
どうもこの大会ではいつも奮わない木ノ前騎手ですが、果たして大逆転なるか!?
ハローをかけると、そこに波が立つほどの水の量…
と、こ、ろ、が
メインレースの頃には、急に天候が変わって…
雲の間から、陽の光と青空
メインレースは、3歳の東海地区生え抜き馬限定重賞
中京ペガスターカップ(SP1)1600m
内目の枠を引き、逃げるだろうと思われていたビックバレリーナのダッシュ乗りが良くなくて、変わって先行したのは中枠からメタリフェル。好位に、1番人気のエムエスオープンがつけて、前の動きを見ながら虎視眈々。
最後の直線
内・メタリフェルに、外からエムエスオープンが襲いかかる
ゴール前では、エムエスオープンが抜け出して快勝。
メンバー中唯一の重賞勝ち馬としての存在感を見せつけました。
村上弘樹騎手は、昨年のこのレースをトリマゴラッキで勝って以来の重賞2勝目
無観客だからではなく、悪天候が想定されていたので、スタンド内の来賓室で表彰式。勝利騎手インタビューもちゃんと行われましたよ。こちらからご覧下さい。
取材に応じる、竹下直人調教師
エムエスオープンの今後は、ライバルの動向を見ながらとのこと。
笠松のニュータウンガールには2回続けて負けていますが、形勢逆転の機を窺う春の戦いになりそうです。
あっ!明日3月12日(木)は、レディースヴィクトリーラウンドだけじゃなくて、こちらの方もよろしくお願いしますね!!交流重賞ですから。