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2021年06月07日
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カテゴリ:大川 充夫
ミツオーです。4カード目にしてとうとう負け越してしまった(プロ野球交流戦の中日の話)。


さて、昨日、子ども(小学5年生)の野球の試合を観に行きまして、お手伝いとしてスコアラーをつとめました。


皆さんは、野球のスコアというモノを見たことがありますか?


そこである競技がおこなわれている。
その試合の様子を、あとから振り返ることができるように記録する。


その記録方法はイロイロですが、例えば野球の場合は、こんなふう。







チーム名や個人名を消してありますが、とある公式戦のスコア本物です。スコアラーも、わたしのようなナンチャッテではなく、本物です。



読み方をご存知の方は、コレでけっこうこの試合がどんなふうに進み、途中何が起きて最終的にどうなったかというのが、だいたいわかります。


この試合の場合ですと、試合序盤はけっこうな投手戦だったものが、突如片方の打線が火を吹き、守備側の乱れもあって大量得点、一気に試合が決まってしまったのだなあ、と、読むひとが読めばわかるわけです。


野球のスコアブックというのは、かなり事細かに記録されているものだと、自分で書きながら、またこういうモノを見直してみて、感心します。




ちなみに、わたしは知りませんでしたが調べてみると、サッカーやバスケットボールにもこの手のスコア(記録)というものは存在します。





サッカーのスコア(例)。
わりとビジュアルに訴える感じでしょうか。






バスケットボールのスコア(例)。
解説もついているモノをお借りしましたので、カンのいい方ならコレだけでスコアをつけられるようになるかも。




そうして、競馬はというと。









競馬のスコア、という言い方はおかしいですが、競技としての競馬を記録しているモノとしては、こうした成績標示は皆さんおなじみではないかと思います。




レースに何が出走し、誰が騎乗し、道中どういう順で走って最終的に着順はどうだった、ということがわかります。タイムや着差もわかります。


もちろん競馬というモノの性質上、ここに各賭式の投票数がくっついてきますし、払戻金もついてきて、ようやく競馬のレースの記録ということになるわけですが、馬券的なことを考慮せず、レース単体をどう記録しているかというと、この画像のように記録しているわけです。




ところでこの競馬のレース記録、記録として見てみて、どうでしょうか?
スタートからゴールまで、何が起きたかどんなレースだったか、十全にわかる記録になっているでしょうか?



なかなかそうとも言えないと思いませんか?



このレースを実際に見たことがあり、かつ覚えている方には、コレで十分かもしれません。
また、忘れてしまっていても、コレを見ることで思い出すきっかけになるかもしれません。


が、このレースを見たことのないひとにとっては、どうでしょうか?


ふ〜ん、そういうレースだったのか!


と十分に納得できるでしょうか?





競馬よりずっと細かく、一球ごとに記入されている野球のスコア(記録)を見ても、同じことが言えます。


この試合、こんなふうだったんだな、と思えるのは、やはり試合をちゃんと見たひとだけ。
試合を覚えているひとにとっては、そうそうそう!このときこうなったんだよな!というのがわかる。
忘れてしまっていても、記録を見ることで、おお!そうだった!この打球は確かさ…という具合に思い出せる。


けどそうでないひとにとっては、例えば上の試合の一回の裏、外野フライ3本で三者凡退なのですが、その外野フライがどんな当たりだったかはわからない。
ライナーでなくフライとしてあるからには、ものすごく鋭い当たりではなかったかもしれないが、ホームラン性の当たりを外野手がもぎ取ったのか、平凡な定位置へのフライだったのかまでは、読み取れない。


つまり、それなりに精密に、あるいは競技によっては比較的アッサリと、後々に残すためにつけられた記録やスコアというモノは、試合やレースそのものがどんなものだったかを、十分には伝えてくれない。それが当たり前なんですよ。



上の野球の試合だと、途中まで投手戦だったように記録されてるけど、けっこう初回から先攻チームの投手はフラフラしてていい当たり連発だったのを、野手が好プレイ連発でしのいでいたのかもしれないのです。でもそこまでは読み取れない。




上にあげた競馬のレース。
2018年の石川ダービーです。


この記録だけ見ると、8番サノノツルギが逃げて、人気のノブイチは後方から、勝ったアルファーティハは真ん中より後ろにいたのが早めに動いて正面スタンド前で先頭にかわり、そのまま半分逃げ切りみたいなカタチになったのだな、という具合に読むわけです。



が、どうしてどうして。
このレースはそんなカンタンな話じゃありませんでした。



実はこの2018年の金沢競馬場の馬場は非常に特殊でして、内ラチ沿いだけが高速馬場、内から2頭目3頭目は論外なくらい重たい。もっと外もかなり深くて厳しい。どうしても誰でも、どうにかして内ラチ沿いを走りたい、内ラチ沿いを逃げられたらその時点でほぼ勝ち決定!みたいな状況だったのです。


その状況で2番枠を引いた実績馬ノブイチ、もうコレはこの馬が逃げて、あとの馬はノブイチが逃げる内ラチ沿いをくっついてくるしかない、外から抜こうにも体力を消耗するだけだろう、というのでノブイチ断然人気。


それがゲートを出てみると、ノブイチが行けない。
鞍上に岡部誠騎手を配したサノノツルギが絶好の逃げとなり、他の各馬もみ〜んな内ラチ沿い、逃げ馬について走るようなカタチになった、ペースが落ちた…ところで、外枠からどうにも内に入れられずにいたアルファーティハが一気の仕掛けで各馬を抜き去っていきなり先頭の内ラチ沿いを奪うという豪快な「奇襲」に出て、それが見事に成功した。


「すごいな〜!そこで勝負に出るか〜!」という感想を、直に見たひとは皆さん抱いた、そういうレースでした。



というのが、このレースをごく乱暴にまとめたものになります。
が、これだけの情報も、上の記録だけでは伝わらないですね?






記録を残す。
そのレースが、試合が、どのような順で展開したのか、何が起きたのかを記号や数字で書き留める。
後で見て思い出せるように。
見なかったひとにも様子が知れるように。


客観の作業だと言えます。



しかし、それだけでは足りない。


では、何がそれを補うか、というと。



記事、なんでしょうね。



観戦した誰かが、その試合を、そのレースを描写する。
文章で表現する。
それがあって初めて、試合やレースを生きたものとして振り返ることができるようになるのです。


ところがですね。


数多くの試合やレースを全部が全部、観戦記事として残すのは大変です。
ほとんど無理と言っていい。
観戦記事を書くのって、ものすごくエネルギーが必要なのですよ。


それに。


正直、観戦記事というのは書き手のスキルによって大きくクオリティが変わってきます。


主観の作業だからです。



上の2018年石川ダービーを乱暴にまとめた観戦記事(というか、思い出し記事)などは、極めて質の低いモノです。もっと格調高く、いや、格調も文学性もなくてもいいけれども、もっと事の本質を鋭く観察し、正しく描写できる記者=記事を書くひとがいるでしょう。


が、それは記者の主観をもとにした記述になるのです。




その記事が格調高ければ高いほど、面白ければ面白いほど、読者が真実と思い込むということはあるでしょうけども、それは記者の主観であって客観的事実を述べていないかもしれない。


記事とは記録ほどの客観性を期待してはならないものだということを、読者は心得ておくべきかもしれません。


そして記事を書く立場にあるひとは(…わたしもその端くれにあるのですが)、そのことを自覚しなくてはならないのだと思います。





てなことを、子どもの野球(…大敗でした)を見ながら、スコアラーをつとめながら考えておりました。


いや、あんまり一方的な展開になったもんだから、ちょっと現実逃避したんですな。ホント、勝負事ってのは勝てないと気持ちが萎えるもので。





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最終更新日  2021年06月07日 18時45分51秒
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