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2021/09/03(金)14:30

「第18回リリーカップ」が行われました!

古谷 剛彦(881)

金曜日は、古谷が担当します。  北海道も緊急事態宣言の対象地域になり、今週のホッカイドウ競馬から2週間、無観客開催となりました。お客さんのいない競馬場は、やはり寂しいものがあります。他の競馬場に比べると、立地条件から他の都府県から来づらい場所にあり、重賞などもない平開催だと、人の数は元々少ない競馬場ではありますが、それでも昨年は無観客開催が続き、今年も限定的ながらファンが入ると、熱気などの違いは明らかです。改めて、ファンの方々の応援が、僕らも支えになることを痛感させられます。  そんな中、今週は注目レースが2つ行われました。新設された準重賞「びらとりオープン」が1日に、「エーデルワイス賞」のステップとなる2歳牝馬重賞「第18回リリーカップ」が2日に行われました。  先週の高速馬場とは打って変わり、先週木曜以降は好天が続き、気温も上がる日がありましたから、3日間とも良馬場で行われました。内有利のイメージがありながら、馬場の真ん中を通った馬の差し切りもあったりと、馬場の有利不利がない、非常に良い舞台設定の1週間だったと思います。  まずは​「びらとりオープン」​。ホッカイドウ競馬3歳三冠が終わり、3歳トップクラスが古馬と戦う時期の中で、準重賞ではあっても、この時期に3歳戦が組まれたことは、「ダービーグランプリ」を目指す馬たちにとって、あるいは人気のあるレースなので出走は微妙かもしれないけど、このレースを勝って名乗りを上げるという点でも、非常に意義深いレースだと思います。7頭と少頭数ながら、実績馬のリーチが出走し、トウキョウドライヴなどの上がり馬との対戦が注目されました。  レースは、好スタートを切ったトウキョウドライヴがスムーズに先行し、ラップを緩めることなく、縦長の展開。リーチは2番手につけましたが、斤量の影響もあってか反応がひと息。最後の2Fはさすがに脚色は一杯でしたが、他馬を寄せ付けることなく楽々逃げ切りました。2着には、最後方でじっと脚を溜めていたシンタロウが、直線で鋭く伸び、リーチやクラウォーを捕らえました。レースラップは、 19秒2(1.5F)-11秒9-12秒5-12秒8-12秒8-12秒6-13秒2-13秒8 前半3F37秒3-5F62秒6、後半3F39秒6=勝ち時計1分48秒8 「スーパーステションみたいな逃げ方でしたね」 と、レース後に角川師が話していましたが、スーパーステションの主戦である阿部龍騎手が、同じようなイメージで騎乗していたのがわかるラップ構成だったと思います。気難しさがあり、2歳時はなかなか結果が出ませんでしたが、3歳を迎えて気性を掴むとともに成長もあり、阿部龍騎手の意の中でレースができている感じが、時計を採っていて見て取れます。この後、選出されれば「ダービーグランプリ」に行きたい旨を角川師は話していました。ラッキードリームが注目されますが、上がり馬のトウキョウドライヴの存在も、ぜひ覚えておきたいところです。 (びらとりオープンを優勝したトウキョウドライヴ。写真提供:山中博喜氏)  そして「リリーカップ」。2013年までは1000mで行われていましたが、2014年に「ブリーダーズゴールドカップ」が牝馬重賞に生まれ変わり、その日を牝馬の祭典として「フルールカップ」という2歳牝馬重賞が創設。それまでの「リリーカップ」を引き継ぐ形となりました。その流れを受けて「リリーカップ」は、「エーデルワイス賞」と同じ舞台で3週後に設定され、より重要なステップレースに位置されました。  今の時期に行われるようになってからの優勝馬は、 2014年…ステファニーラン(2着ジュエルクイーン) 2015年…モダンウーマン(3着タイニーダンサー) 2016年…ハタノオヌール(3着アップトゥユー) 2017年…ストロングハート 2018年…アークヴィグラス 2019年…プリモジョーカー 2020年…ソロユニット と、後に活躍している馬たちが揃っています。()内に記した馬も含め、「エーデルワイス賞」を目指す馬たちの争いらしく、レースレベルが非常に高いことが裏付けされています。実際、「ふるやっちチャンネル」の中でも話しましたが、「フレッシュ」を勝ったばかりの馬では3着以内に絡んだことはなく、オープン実績がモノを言うレースです。  今年の「フルールカップ」が、重馬場で1分を切る決着でした。これは、昨年も同様で、良馬場になったことで、昨年は「フルールカップ」組が3着以内に来ることはなく、今年も良馬場で行われたことを考えると、「フルールカップ」組の取り扱いが難しい印象はありました。  勝ったのはスピーディキック。前走は、1200mの「ターフチャレンジII」でコパノミッキーの2着。昨年2着のレディブラウンが、「ターフチャレンジII」4着からこのレースで2着でしたが、時計の掛かる馬場での好走実績が、このレースにつながる印象を受けました。スピーディキックに交わされたものの、2着に差してきたレディオスターも、前走は平場とはいえ1200mのオープンを勝って挑みました。そして、3着は逃げたツーシャドー。前走で「アタックチャレンジ」を勝ったばかりで挑みましたが、ハイラップで逃げながら、実績馬のエイシンヌプリを退けた内容は高く評価できると思います。結局、今年も「フルールカップ」組は、エイシンヌプリの4着が最高で、勝ち馬のスティールルージュは序盤に掛かり、6着に敗れました。レースラップは、 12秒1-10秒9-11秒7-12秒2-13秒0-13秒6 前半3F34秒7、後半3F38秒8=勝ち時計1分13秒5 でした。このラップで逃げたツーシャドーの粘りは、今後注目できます。この厳しいラップで、先行勢は苦しくなり、展開絶好のレディオスター、さらに外からスピーディキックが追い込んできたという形でした。 (リリーカップを差し切ったスピーディキック。写真提供:山中博喜氏)  石本調教師にとって、これが重賞初制覇。活躍馬は多数いたので、重賞初と聞いて驚きましたが、 「能検でゲートから出ず、一度落ちた馬なんですよ。その馬が、スタートを決めて流れに乗り、岩橋くんが非常に上手く導いてくれました。重賞勝ちの実感は、この後来るんでしょうね」 と話していました。馬の成長というのは、長年競馬を観ていたとしても、答えが出ないものです。本当に驚くことも多く、例えば、この日に2勝目を挙げたデルマヤクオウという3歳馬も、今年の能検で一度落ちています。何とか競走馬へ…と、諦めずに努力される関係者の方々が報われる瞬間というのは、僕らも嬉しくなります。  さて、5日の話になりますが、​「ヨルノヲケイバE」​という、今までとは違うスタイルの高知競馬のライブ配信に出演します。Eは、教育(education)の略です。  5日、19日と2回ありますが、5日は競馬そのものが初めてという受講者に教える講師として出演します。​高知けいばYouTubeチャンネル​をチャンネル登録して頂くとともに、​「ヨルノヲケイバE」​を御視聴頂けたらありがたいと思います。

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