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2021/09/25(土)00:50

「第21回フローラルカップ」が行われました!

古谷 剛彦(876)

金曜日は、古谷が担当します。  もう9月最後のブログです。早いですね~(^^; 今週のホッカイドウ競馬は、2つの重賞が行われました。23日に行われた​「第2回ウポポイオータムスプリント」​は、​ウェブハロン​でレースハイライトを担当しましたので、​こちら​をご覧下さい。 (上はゴールシーン。下は口取り。写真提供:山中博喜氏)  ここでは、22日に行われた​「第21回フローラルカップ」​を書き綴りたいと思います。2歳牝馬の重賞で、8月11日の「フルールカップ」が1000m、9月2日の「リリーカップ」が1200m。10月14日のダートグレード「エーデルワイス賞」が1200mですから、距離をあまり変えたくない陣営は多いと思います。実際、それぞれの勝ち馬は、「エーデルワイス賞」へゆったりしたローテーションで向かうことも視野に入れていますし、距離が延びる「フローラルカップ」に行くメリットがないと考えるのは普通でしょう。また、間隔を意識し、牡馬相手とはいえ、「イノセントカップ」に向かったレディーアーサーのケースもあります。  そうなると、内回りマイル戦で行われる「フローラルカップ」が、微妙な立場になっていると思われるファンの方々も多いと思います。ただ、内回りのラップは、短距離戦の近いものがありますし、内回りがなかった時代は、「門別1200mは、マイルをこなすスタミナが必要」と言う関係者が結構いた訳ですから、意外につながっている面もあります。また、「エーデルワイス賞」は距離が忙しいという馬にとって、10月21日に1700mで行われる「ブロッサムカップ」が設定されており、こちらの前哨戦的な意味合いもあります。「フローラルカップ」は、マイル以上の実績は決して必要ではない点もあり、短距離向きも中距離向きも、どちらも出走できる舞台設定として、面白い重賞だと思います。  今年は、「リリーカップ」で3着に逃げ粘ったツーシャドーに加え、そこから差のない4着で、「フルールカップ」は2着に健闘したエイシンヌプリが出走してきました。ツーシャドーが、前半3F34秒7で引っ張り、厳しいレースを繰り広げたことが、内回りのマイル戦でどんなレースを見せるか注目されました。また、牡馬相手の「ウィナーズチャレンジ」や「サッポロクラシックカップ」に出走し、上位争いを演じてきたコスモポポラリタは、中距離馬としてこのレースに参戦。どちらに軍配が上がるのか、興味深い1戦となりました。  レースは、ツーシャドーが「リリーカップ」同様に逃げましたが、 12秒6-12秒1-12秒6=前半3F37秒3 と、3コーナー過ぎまで、きちっとしたラップを踏みながら、ツーシャドーが逃げました。序盤は後方からのレースとなったコスモポポラリタは、前半3F地点で先頭から1秒1離されていましたが、向正面で外に出し、動きを見せます。しかし、向正面のストレート部分となる4F目と5F目は、 12秒7-12秒7、前半5F62秒7 と、ツーシャドーが絶妙なラップでの逃げを続け、コスモポポラリタは反応が今ひとつ。思ったほど前との差を詰められず、勝負所ではスペースがあった内を進みます。エイシンヌプリがコーナーで進出し、ツーシャドーに迫り、その内の直後まで差を詰めてきたコスモポポラリタが4コーナー3番手で直線へ。後半3Fのレースラップは、 12秒6-13秒4-14秒0=上がり3F40秒0 と、内回りらしく後半2Fは時計を要し、さすがにツーシャドーが苦しくなっていたことが窺えますが、それでも渋太く粘っていました。直線で外に切り替え、ツーシャドーとエイシンヌプリの間を割ってきたコスモポポラリタが、ゴール寸前で差し切り、ハナ差の好勝負。見事、重賞初制覇を飾りました。 (上はゴールシーン。下は口取り。写真提供:山中博喜氏)  ​五十嵐騎手​と​櫻井調教師​の優勝インタビューは、それぞれリンク先をご覧下さい(ホッカイドウ競馬チャンネル)。コスモポポラリタとツーシャドーは、林和弘厩舎の所属馬でしたが、その意を継いだ櫻井厩舎で勝利を収め、林和弘厩舎ジャンパーを着るスタッフ3人の方々が、本当に嬉しそうに口取りに参加されていました。見ているこちらも感動しました。コスモポポラリタは、「ブロッサムカップ」に向かう可能性が高いんですが、他地区への遠征も含め、中距離路線に目を向けている様子です。また、ツーシャドーは、「エーデルワイス賞」へ向かうと、櫻井師は話していました。  話は変わりますが、「園田プリンセスカップ」は、ホッカイドウ競馬勢のワンツー。こちらでレースを観ていましたが、アクシデントがあり、北海道にいる田中淳司調教師と、代行を頼んでいた田中一巧調教師で連絡を取り合い、ゴーサインを出したグラーツィアが、見事な逃げ切り勝ちを収めました。ダッシュがつかず、中団より後方に序盤置かれたスティールノーヴァですが、勝負所から上手く捌いて2着に追い込みました。この2頭、ホッカイドウ競馬では上位の馬たちではありませんが、戦ってきたレースレベルが違うことを示したと思います。 (写真提供:兵庫県競馬組合)  レースレベルが違うかどうかは、レースラップや各馬の前半3Fが、当たり前のようにある地域の方が、明らかに分析できます。ホッカイドウ競馬は、時計の分析を細かくしています。解説で高倉さんも話していますし、僕らも調教師や騎手と、自分が採ったレースラップを見せながら、展開を振り返り、次へとつなげることを何年もしてきています。中途半端な距離でも、内ラチと外ラチにテープを巻いてもらい、ラップを採りやすく主催者も協力してくれています。その辺りは、西日本のレースで、前半の時計を話すのは高知競馬ぐらいでしょうか。高知の関係者も、前半の入りの話題は、レース後にやはりしています。感覚でモノを言うだけの時代ではなくなってきましたから、その辺りは具体化していくことを真剣に考えていくべきだと思います。

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