2021/10/13(水)09:13
深まる秋に それぞれの道を探って
水曜日の担当は、坂田博昭です。
先週、9月30日木曜日
緊急事態宣言が全国的に解除される、前日。
名古屋競馬場は折悪しく、そのタイミングで重賞競走の開催日でした。
勿論、無観客。
願わくば、無観客開催最後の日……。
翌日10月1日からは、お客様方をお迎えして開催されています。
先日新規開業した沖田明子調教師が、前日9月29日に初勝利をあげました。
(写真 主催者広報提供)
写真左からふたりめが、沖田調教師。
インタビューの模様が、名古屋競馬公式Youtubeに上がっていますので、ご覧下さい。
私も、取材に出かけた日に話を伺うことが出来ました。
「初出走とか初勝利は、やはり嬉しいですね。今年中…っていうのは難しいと思うので、年度替わりの来年3月までに、10勝出来ればと思っています。そうできるように、いまは『地盤』をしっかりと作っていかなければと思っています。」
先週ご紹介した、門別の森山雄大調教師とか、この沖田調教師、あと名古屋には榎屋充調教師も30歳代。こうした厩務員出身の若手の調教師が、志を持ってこの道に進んでいくことが、とても大切なことだと思うんですよね。騎手を経由して、だと、どうしても調教師としての稼働時間が短くなりますし、また騎手というそれでなくてもすごく特別な職業から更に特別な職業へ、では、どうしても調教師へのなり手が少なくなる。
大勢いる厩務員の方々の中から、調教師を目指していく人たちがもっと増えていくことが、層を厚くするためには大切なことではないでしょうか。
(写真 主催者広報提供)
「いま、厩舎にはスタッフが二人います。こないだ面接してまた一人、若い人も入ってくる予定です。そういう自分よりも若い人たちが、自分の姿を見て『自分もやってみたい。調教師になりたい』という仕事をしたいと思うんです。」
名門の錦見厩舎で厩務員をしていて、名門だからこそ馬に関する経験はものすごく積めても、そういう雰囲気は醸成されにくい中で、ここまでしてきたのかも知れません。だからこそ、馬に関することは学んできたことを生かしながら、厩舎の雰囲気はまた別の流れを作りながら、という思いもあるのかも知れません。
新しい風が、吹きはじめている。
そんな感じがします。
超久しぶりに、この方にお目にかかることが出来ました。
笠松の大原浩司騎手
いま笠松では、取材で出かけてもプレイヤーの話を聞く機会は殆どありません。なので、笠松に出かける機会も自然になくなってしまっていて、自ずと笠松のプレイヤーの話をここでご紹介する機会もなくなってしまっています。
この日は、大原騎手が2鞍乗りに名古屋に来ていて、きちんとお話しを伺う僥倖に恵まれました。
「残ったみんなで、前を向いて頑張れています。攻め馬の数も多くて大変なこともあるけど、それもレースがあるからのことと思うと、いまはモチベーションが違いますね。」
「自分は、周囲のおかげもあって、たくさん乗せてもらって勝たせてもらって、ありがたいです。」とも。9月から競馬が再開して、ここまで11勝の活躍。
何より、この笑顔が見られたことに…ほんとうに救われました。
「ここから先、もうやるしかないので」
彼の話の最後の一言が、とても印象に残りました。
名古屋リーディング2位の今井貴大騎手が、年間100勝に到達しておりました。
「引き続き、例年以上にいい流れで来ていると思っています。130勝は行ったことがないと思うので、そこを目指して」
突然ですが、今日の「レジェンド」
丹羽克輝騎手 62歳
勝って上がって来て、ポーズも頂きました。
この日も2勝して今季38勝。
早くも昨年の勝ち鞍を超えました。
いつも一生懸命、が口癖の彼。
馬、動かしちゃうんですよね…気持ちのなかなか入らない馬とか。
なので、騎乗依頼も絶えないんでしょうね。
私は、取材に出かけて彼の姿に触れるたびに、気合いを入れられております(汗)。
彼がいるから、私も頑張れる。そんな思いで見ていられる人のひとりです。
この日のメインレースは、北陸・東海交流のベイスプリント(1400m)
金沢から3頭が参戦して、フルゲートになりました。
予想通りサノマナが先手
その直後にタイガーアチーヴ
先団の後ろに、カツゲキキトキト(緑帽・丹羽騎手)
1番人気のナムラマホーホは中団(写真右端 青帽岡部騎手)
勝負所でカツゲキキトキトが、前走から手綱を取る丹羽騎手の叱咤に応えて前に攻め込んでいき、レースが動きます。
お客さんが入っていたら…
このシーンで大いに湧いただろうな……
カツゲキキトキト、やったか! のところに
ナムラマホーホ強襲!!
ナムラマホーホ 7月の名港盃(1900m)に続いて、1400mでも重賞制覇。
岡部誠騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルのYoutube映像でご覧下さい。
カツゲキキトキトと丹羽騎手は、クビ差2着……
「勝ちたかったよ……動かしていないと、すぐにやめてしまう。この馬の本来の力を出せば、負けるはずのないレース。騎乗としては納得出来る騎乗はしたけれど、残念。」
最後に、もう一言
「自分の中では、2着はもうビリと同じ。競馬は勝たないと。」
この言葉に、聞いているこちらの背筋が伸びました。
名古屋、次の重賞は10月11日月曜日 秋の蔵(SP1)
3歳馬の重賞で豪華メンバーが揃います。
お楽しみに!