2022/05/24(火)16:23
地方競馬・重賞競走のうんちく
こんにちは。隔週月曜日、今日の担当は㈱耳目社の百瀬です。
春競馬たけなわ!JRAでは昨日、優駿牝馬・オークスが終わり、春のGⅠレースも残り3つ。
いよいよ今週末は東京優駿・日本ダービーが行われます。
また地方競馬も連日注目レースが目白押し。とりわけ南関東では3歳重賞戦線が佳境に。
11日は牝馬三冠戦線の第2戦目・東京プリンセス賞が行われ、人気のスピーディキックが桜花賞に続き2冠目も勝利。4年連続での牝馬2冠馬の誕生と共に、チャームアスリープ以来、16年ぶり史上2頭目の牝馬三冠に期待が掛かります。
一方、牡馬戦線は波乱含み。12日に行われた第一関門の羽田盃は、伏兵のミヤギザオウが優勝。2着もブービー人気のライアンで三連単は300万越えの大波乱。東京ダービーへの道は混とんとしてきました。
さて、地方中央問わず連日行われる"重賞"レース。
地方競馬では、昨日は水沢競馬場であすなろ賞、佐賀競馬場で佐賀ヴィーナスカップ。明日は金沢競馬場で北日本新聞杯、水曜日は大井競馬場で大井記念が行われます。
JRAのホームページ内にある「競馬用語辞典」によると
「重賞」とは
「特別競走の中でも特に賞金が高額で、重要な意義をもったレース。賞金や歴史と伝統・競走内容等により格付けされている」
と説明されています。(2022.5.23アクセス)
今日はその重賞レースの"明日使えるうんちく"を色々ご紹介したいと思います。
まず一つ目。
地方競馬で行われる重賞っていくつ?
一度は数えてみたいと思っていた、地方競馬の重賞の数。
北はばんえい帯広から南は佐賀まで、令和4年度に行われる(予定)重賞の数は…
301レース
船橋競馬場で行われる"京成盃グランドマイラーズ"が開催日程の関係で、令和3年度に2回行われ、今年度は施行されません。
また佐賀競馬場では、今年度新設された重賞があり、必ずしも毎年決まった数字ではないことをご理解下さい。
毎年、全国の地方競馬場を合わせると300程度の重賞競走が実施されています、と認識頂ければ幸いです。
全国の総数が分かると次の疑問が。
重賞の多いは競馬場(主催者)は?
早速見てみましょう。令和4年度、主催者別重賞数ランキングは以下の通りです!
1位:44レース…岩手県(盛岡競馬場、水沢競馬場)2位:28レース…北海道(門別競馬場)、佐賀競馬場4位:27レース…帯広競馬場、大井競馬場、 兵庫県(園田競馬場、姫路競馬場)
1位は盛岡、水沢両競馬場を主催する岩手県。44レースは、毎年持ち回りで実施され、今年盛岡競馬場で行わるJBC競走を含むものですが、それを外しても2位に10レース以上の差をつけています。
これは年齢、距離、性別など、岩手競馬内でしっかり体系化されていることが、その要因ではないでしょうか。
また盛岡競馬場は芝コースを有していることから、芝の重賞レースも体系化されており、施行競走が多い一因を担っているものと思われます。
続いてはこちら
「杯」と「盃」。どっちが多い?
レースタイトルの末につけられるこの文字は、
どちらも同じく「はい」と読み、意味においても大きな違いはありません。
地方競馬では二つの「はい」が混在しておりますが、果たしてどちらが多いのでしょうか?
結果はこちら!
杯…14レース盃…14レース
何と同数でした!
ちなみに競馬場別に分類すると、
「杯」を用いる…帯広、岩手、浦和、川崎、笠松「盃」を用いる…門別、船橋、大井、兵庫「杯」「盃」どちらもあり…金沢、名古屋どちらも用いる競走なし…高知、佐賀
今後機会があれば、2つの「はい」が使われるようになった経緯など、調べてみたいと思います。
重賞うんちくシリーズ、さらに行きましょう!
馬名のつく重賞っていくつある?
自身の名がレースタイトルに刻される。これは競走馬、繫殖馬として顕著な成績を残した馬のみに与えられる特権。
2022年現在、地方競馬で馬の名が付けられた重賞競走は…
帯広イレネー記念
門別コスモバルク記念
盛岡・水沢シアンモア記念マーキュリーカップ
(メイセイオペラ記念)ビューチフルドリーマーカップトウケイニセイ記念
船橋
ダイオライト記念
大井ハイセイコー記念フジノウェーブ記念
川崎
スパーキングレディーカップ
(ホクトベガメモリアル)ロジータ記念
笠松オグリキャップ記念ラブミーチャン記念ライデンリーダー記念
重賞に限定して全14レース。並べてみると爽快ですね。
特に笠松競馬場は比較的最近に同競馬場でデビューし、活躍した名が3頭。どの馬もレースタイトルに刻すに相応しい活躍、成績を残しました。
改めて「名馬・名手の里」を実感させられます。
個人的には、地方中央問わず、名馬そして名手の名をレースタイトルに残して欲しいと思っています。
上記以外にも多くの名馬が誕生しました。是非、重賞に名を刻し、語り継ぎたいものです。
そして今回、最後のうんちくはこれ!
算用数字のつく唯一の重賞は?
全国の競馬場で連日行われる重賞レース。
バラエティー豊かなレースタイトルが付けられていますが、年齢表記(〇〇杯2歳ステークスなど)以外で、算用数字が用いられているレースは、何と1つ!!(これはNAR、JRA含む)
それは何でしょう?
もう分かりましたね?
正解は……
「アフター5スター賞」(大井)
近年は東京盃の前哨戦、南関東の短距離重賞として定着している同競走。創設から2002年の第9回までは1800mの中距離重賞でした。(第9回は改修工事の為、1790mで実施)
1994年。記念すべき第1回は、デビュー以来、無傷の10戦全勝のツキノイチバンが優勝。
「不敗神話が生きている」と直線の増田勝美アナの実況が、大変印象的ですが、
ツキノイチバンはこのレースの後に出走した、グランドチャンピオン2000で、レース中の故障により予後不良となりました。
近年ではキタサンミカヅキの3連覇や、後のGⅠ(JpnⅠ)馬サブノジュニアの初重賞制覇など、短距離戦線を占う重要なレースとなっている同競走。
さらに歴代の優勝馬を見ると、中距離時代から中々のビッグネームが並んでいます。
それはさておき。
正直、最近「アフター5」って、あまり耳にしないですよね?
創設は1994年。何となくですが、バブル時代の名残を感じます。
当時、ナイター開催は大井競馬のみ。トゥインクルレースを広くアピールにするに丁度よい、レースタイトルだったと思いますが、
もしかすると若い競馬ファンの方は、"アフター5"という言葉自体を知らないかもしれませんね。(ぎり昭和生まれの私、知ってはいるものの、日常会話で使う事はほとんどなく…)
今回はオムニバス形式で、地方競馬の重賞に関する"うんちく"を紹介しました。
今後も色々調べたものが溜まりましたら、また紹介したいと思います。
写真は今年のかしわ記念当日のウイナーズサークル。
船橋競馬場の前身、柏競馬場にちなみ行われる重賞競走。
これからは重賞レースの歴史についても、
色々調べていきたいですね。