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2024/09/23(月)18:22

日本国憲法第一条について

政治(17)

〜日本国憲法〜 第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。 〜日本国憲法〜 この条文、サラッと読んでしまうと、「別に普通じゃないか。」と思う人が多いかもしれない。 しかし、そういう人でも革命政党であるはずの日本共産党が護憲、護憲と叫ぶ主たる理由の一つが、この第一条にあると言われたら、素通りせずに考えることができるのではないだろうか。 つまり、この条文をGHQの意図するように解釈すれば、主権者である国民の意志によって天皇制を廃止することができるという意味になる訳だ。 あたかもフランス革命で王政が廃止されたかのように、である。 これは憲法制定当時でいうと、欧米人が天皇をヨーロッパの王のような存在だと見立てた事に起因する部分が大きいが、戦後約80年たったら、なんと日本人も大体そう思ってしまっているという話なのだ(全部忘れてる。大変だ!)。 日本と西ヨーロッパが封建制を経て、近代民主主義国家になった点を踏まえて比較するなら、天皇は、どちらかといえば彼らのローマ法王に近く、征夷大将軍が、彼らの王だといえばイメージしやすいのではないだろうか。 天皇は、権力ではなく概ね宗教的権威の象徴だ(ローマ法王だ)。 一方、将軍は概ね1番戦(いくさ)の強い大名で、「大名の中の大名」として権力の正当性を天皇に付与してもらう存在だ(ヨーロッパの国王も「諸侯の中の諸侯」だ)。 さて、そろそろ長々と書いた理由もわかってもらえたと思うが、要するに、天皇は、政治家やアイドルのセンター争いのように、人気投票で決める権力的存在ではないということなのだ。 したがって、自民党総裁選の憲法改正議論にも、第一条の書き方をちゃんとする、という問題を提起すべきなのである(ではまた)。

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