緩和ケア研究会
半年前に総代さんを看取った件、新聞記事の方が先行してしまいましたが、昨日、日本死の臨床研究会中国・四国支部研究会ならび山口県緩和ケア研究会に於いて、スムーズに各スタッフが連携出来た事例として、担当の看護師さんより発表がありました。お寺での看取りといったことにも、かなり興味深いとの意見あり。そして、末期緩和ケア→臨終→葬送といった流れでの事例発表であれば、更に意義深いものとなったであろうと、会全体を通して実感しました。様々な事例を伺うも、肉体的な苦痛は、薬物を用いてかなり取り除くことが出来るのですが、精神的苦痛の和らげとなれば、医師や看護師さんたちだけではキャパシティーに大きな開きがあり、報告や質疑応答に首を傾げることも多く、緩和ケアの形態は過渡期で、まだまだこれからのこと。看取る側も、看取られる側も、計りきれない心のこととなれば、個人差が大きくてマニュアル通りに行くはずもなく、正しい答えの無いところではありますが、絶えず生死の問題に真正面から向き合っているはずの僧侶が果たせる役割も大きいのではと思いました。午後からは、『今一度、ホスピスの本質を問う。歴史を振り返って』というタイトルの講演に引き続き、『コミュニティケアとしての緩和医療とチームアプローチ』をテーマに、シンポジウムが行われました。山口市は日赤を中心とした働きかけの結果、行政も含めての連携がよく取れているも、県内ではまだまだ珍しい様子。寺に戻って看護師経験のあるおばさんに逐一報告しつつ、総括する中で、今後一層、病院の医師だけでなく、町医者さんたちとの連携を喚起しつつ、町内会の理解も得、民生委員にも働きかけ、本来のコミュニティを取り戻していくことで、緩和ケアの質の向上につながるに違いないとの意見。「ズバリ、その辺りですよ!」と、思わずおば様に握手を求めました。まあ、急がずぼちぼち。昨夜は、思い立ってふらりと散歩。一の坂川に飛び交い始めたホタルの灯りが、柔らかに飛び込んで参りました。