スポクラ依存症の映画好きのブログ

2008/07/30(水)15:13

便利屋、それともケアマネージャー?

映画も好きだけど本も好き!(2)

最近、新書ばかりで小説読むことなかったが、昔好きだったアン・タイラーの小説で 読んでいなかった作品、”パッチワーク・プラネット”を読んだ。 主人公はアン・タイラーの作品にしては珍しく若い男性。といっても30にはなってるけど。バツ1、子供あり。 軽犯罪で矯正施設にはいっていた経歴あり。というと普通の人は ”ライ麦畑でつかまえて” のホールデンを思い出すかも。 ともあれ主人公、極悪人ではもちろんなく、どちらかといえば繊細で一般常識もあり。そして実は親は金持ちだったりする。 大学教育受けていないし、地元でとりあえずできる仕事,ということで働くようになった近所の便利屋業。 買物ひきうけたり、宅配したり、なにかの片付けをしたり。。。というような仕事だが、土地柄、顧客は多忙でリッチなビジネスタイプの客であるはずもなし。 一人暮らしの老人が客のほとんど。 当然話し相手になったりの必要も出てくる。 結局のところ、やっている仕事は日本の介護サービスのスタッフのようなもの。もちろん 公的なものでなく、若いお客がいてもいいはずなのに毎日、老人と向かい合うことになるのだ。 ”50代はいい、60際もいい、65歳も。。。でもその先は。。。” とふともらす、登場人物の一人。 主人公が毎日たえきれない思いになるのは、 その日ごとの仕事でなく、老いていく老人達がさらに老化していくのを 日々 見ていかなければいけないことだった。 ストーリーはアン・タイラーらしく、淡々としつつユーモアもあり、悲惨さからは 遠いが、介護ビジネスにたずさわる人の 気持ちってこんなふうなのかも、と思った。

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