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カテゴリ:その他
日本では,標準物質に関して,いろいろな面で遅れている.
標準物質があって初めて測定が可能になる. メートル原器などは有名だが,有害物質を測るには標準としての有害物質が必要であり,それとの比較で量が測れる. 日本では,国家標準は産総研の仕事だが現場では役に立たない. 最近も,数十万円の高額で購入した標準ガスの値がおかしいことがあった. 我々には,同じガスをずーっと測定しているので,日々の精度管理データの蓄積がある. 当然,測定装置の精度も管理しているし,標準ガスの信頼性も確認できる. しかし,標準にはトレーサビリティというものが要求される. 購入したガスは,重量という信頼できる単位で調整されているがおかしな値が出ることはよくある. 我々はチェック可能で,クレームをつければ,大体の場合は製造メーカーがリーズナブルな値に付け直してくる.しかし,それが出来ないところでは間違った標準物質で値付けをしても誰も分からない. 恐ろしいことだと思う. しかし,世の中の大勢が結果の数値だけ求めて「基本的な科学」に無知,無関心すぎることが大きな原因の一つだ. 今回の原発問題でも,同様のことが起きている. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.05.31 08:16:49
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