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カテゴリ:純作品・ドキュメンタリー
評点 ★★★★- 音楽、映像が良い。
【47%OFF!】汚れなき悪戯 【IVCベストセレクション】 【DVD】 ●1955年度 スペイン映画 監督:ラディスラオ・バハダ/ヴァイダ・ラースロー 脚本:ラディスラオ・バハダ ホセ・マリーア・サンチェス・シルバ 製作:フリオ・ペーニャ 音楽:パブロ・ソロサバル 撮影:エンリーケ・ゲルネル キャスト: ◇僧院長:ラファエル・リベレス ◇僧侶:アントニオ・ビコ ◇フランシスコ修道士、お粥さん(fray Papilla):フアン・カルボ 料理番で、マルセリーノの保育係 ◇マルセリーノ:パブリート・カルボ ◇町の鍛冶屋:ホセ・ニエト 後の町長。養い親となることを拒否され、町長となったのち赤子を奪おうとし、さらに修道院の立ち退きをせまる。 ●あらすじ 19世紀の前半のこと、スペインのある町の町長を3人のフランシスコ会修道士が訪れ、フランス軍により破壊されたまま廃墟となっている丘の上の市有地の修道院を再建する許可を求めた。町民の助けを得て再建された修道院、やがて其処に、12人の修道士たちが働くようになる。或る年の祭の朝、門前に赤子が置かれ、修道士たちは近隣に里親を求めて歩き回った。 ******** ネタバレします ********** ●感想 この映画も、長いこと見たいなあ、と思っていて、なかなか見られなかった作品です。原題は「Marcelino Pan y Vino」で、パンとワインのマルセリーノという意味です。それがどうして「汚れなき悪戯」という邦題になったのかは分かりませんが、多少、難しい命名だったかな? と思いました。 視聴前の私の想像では、子供が、壁に掛けられた主の肖像画に魅せられて、その絵を持ち出してしまうようなストーリーかな? と思ったりしていたのですが、このお話では、ちょっとした可愛らしい子供のいたずら(小石を投げたら人に当たってしまったり、積み上げられた果物を採ったら、その山が崩れて大騒ぎに発展してしまうような)は描かれますが、おもには、彼が見つけた主の像に祈っていると、主がマルセリーノの願いをかなえてくれるというようなお話です。 なので、邦題の意味はどうもピッタリしなかった・・・。(像にワインやパンを捧げるのは、汚れなき悪戯には思えません。私らも日々、そうしている・・・) ●映画の8割までの進行は、どこと行って不備のない進み方で、映像の取り方も秀逸、19世紀の貧しいけれど一生懸命に生きているスペインの村の表情や人々の表情が、大変、上手に描かれています。確かに、自分の主張で他人を制御しようとするような男も登場したりはするけれど、主題はそういうところにはなかった。後半残りの部分で、それまで純真な心で生きてきたマルセリーノ坊ちゃんが、さしたる大きな理由なしに、また、いともあっけなく、自分を大切に育ててくれた心暖かい12人の修道士に別れを告げて、去ってしまうのですが、それが、何となく、シナリオ的に十分には理解ができない感じがあり、見終わったときには、ちょっと唐突すぎる感じがしておりました。 ●それで、改めて考えてみるに、キリスト教文化では、純粋な心を持った人間が善行を行うと、最後は祝福されて天国に行く、という基本的な考え方が、心のベースにあるのかな、と・・・気が付きました。長いことあれこれと人間を生きて年老いるのではなく、純真なままの少年の頃に、澄んだ心で天国を願うと、それがすぐに実現する・・・。そういうことを端的に示していたのかなあ、と。 ●3歳の頃、僕はプロテスタントの教会が主催している幼稚園に通っていました。建物の一角に礼拝室があって、そこに幾つか絵が飾られていた。子供を抱いて主に祈るような絵は、優れて描けた絵でしたが、十字架に人が磔にされたされたような絵や像は、「何とも悲しい辛い絵である」ことが、幼心にも分って、そもそもこういうことをする人間、というのがこの世に存在するということが、どうもしっくり理解できなかった。あんまりにも、人間の行いとして酷過ぎて、容易に受け付けられなかったのかな? と、思いますが、そういう暗い時代背景から生まれてきた宗教、というものには、大きな疑問/怖れのようなものが心にあったのか、容易には近づけない感じがありましたね。 ●この映画では、描いてゆく途中にも、修道士の暖かい心根が随所に現れます。また、いろいろと援助をしてくれる貴族や、兵の服装をし、馬に乗って修道院を訪れる者たちも、(兵の役割を担っているにしては)心根が暖かい。その辺りの描き方は、少ないセリフであっても十分、伝わります。また、修道院の周りの風景/情景に、大きな岩の立ち並ぶ情景や、大きな空が描かれますが、これが如何にもスペインらしい。痩せた土地柄で、僅かな耕作地を耕しながら、馬やヤギやらと一緒に生活する村人の生活の様子・・・、それが懐かしく垣間見られただけでも、この映画は成功している感があります。 ●余談になりますが、母を慕うマルセリーノが、一度だけ綺麗な女性に出会うシーンがあります。僅か十数秒程度の短いシーンですが、その時の女性が、何とも非常に美しい。頭にスカーフを被っている様子も、服装の感じも。それにまた、彼女の立つ大地の背景のスペインの田舎の空が、地平の果てまで続くような、遠い果てしなさを感じさせる。映像は白黒ですが(あるいは却って白黒だからかもしれませんが)、これだけ奥深い画像が描けているのは、大したものです。 ●あと、音楽ですが、マルセーリーノー、マルセイリーノ、で始まる歌は、修道士の彼への愛慕を感じさせる秀れた旋律で、歌詞の内容も良い。映画では一度歌われるだけですが、非常に印象的でした。 ●マルセリーン坊ちゃんはとても可愛いですが、えらくハンサムで、事前の心象とはちょっと違ってました・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 6, 2013 04:14:13 PM
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