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札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体の女性は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者となった交際相手は、同じ本部に所属する津久井巡査部長だった。やがて津久井に対する射殺命令がでてしまう。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつて、おとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するために有志たちとともに、極秘裡に捜査を始めたのだったが…。北海道道警を舞台に描く警察小説の金字塔、「うたう警官」の文庫化。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) |
このミステリがすごい2006年版 国内編 10位
警察組織を舞台にタイムリミットものストーリー。
原題は”うたう警官”。”うたう”とは警察組織の中での、内部告発、密告をいうらしい。横山秀夫とはまた違った警察モノの快作。
2008年このミス1位の『警官の血』を、ところどころ思わせる内容です。警察内で起こった過去の汚職事件や、佐伯と津久井が組んだおとり捜査で被るPTSD(心的外傷後ストレス障害)など。
こんな風に、捜査員が勝手に組織の方針~逸脱するような行動を取るなんて可能なのか疑問ですが、。たった一晩でのすばやい行動だから可能だったとも言えるのかも。真犯人にたどりつくまでの、事件現場からの手がかりや、前科のある者、被害者の人間関係など、証拠や背景や捜査と推理と、丁寧な事件解決への進みがリアルで面白いです。
そして、またも北海道警察では、現場に精通してない捜査員ばかり。(『制服捜査』でもありました、大規模人事異動の影響)ベテランなら見逃さないような現場を前に、自分では的確にヒントを嗅ぎ取れないだろうと、現場に慣れないことを悔しがる捜査員の気持ちが伝わってきます。
津久井という警官の”うたう”(内部告発)をめぐる事件でもありますが、彼を救おうと立ち上がる佐伯たちの影の捜査こそ、警察組織へ疑問をぶつけた”うたう”行為に感じましたね。
続編に、『警察庁から来た男』
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最終更新日
2008年02月04日 11時34分20秒
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