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テーマ:ミステリはお好き?(1496)
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このミステリがすごい2011年版海外編 第5位 かつて隆盛を極めながらも、第二次世界大戦終了後まもない今日では多くのものを失い、広壮なハンドレッズ領主館に閉じこもって暮らすエアーズ家の人々。かねてから彼らと屋敷に憧憬を抱いていたファラデー医師は、往診をきっかけに知遇を得、次第に親交を深めていく。その一方、続発する小さな“異変”が、館を不穏な空気で満たしていき、人々の心に不安を植えつけていく……。たくらみに満ちた、ウォーターズ文学の最新傑作登場。 サラ・ウォーターズって陰気で、レズ調が合わなくて、これまでの作品はいまいちに思ってましたが、これは面白かったです。登場人物のひとりが、『アッシャー家の崩壊』エドガー・アラン・ポーの主人公と同じ名前ロデリック。ゴシック・ホラーの雰囲気をベースにいろんな要素を含んだお話でした。 どういうオチが来るんだろう?と、考えている内に読み終わった感じです。 1.心霊現象 2.精神疾患による幻覚幻聴 3.悪意によるイタズラ 4・? だいたい、どこかにオチるんだろう・・とおもったのですが。 結局、”異変”の正体がなんだったのかは読み手まかせ。 ですが、そこが著者のうまさなんでしょうね。 それから、興味深かったのがキャロラインの心理。 世間から隔絶され、孤独で困窮し、屋敷と家族に縛られている時、ただひとりの友人と呼べるのが主人公の医師。 ここから、出て行く事さえできたなら、優しくてそこそこ気の合うこの人でもいーかもなー。 でも、なにもかもから解放され、自由に生きれる時がきたら。 本当の自分の望みはなんだろう。ひとりのくたびれた中年の男に縛られたくはない。 キャロラインの叫んだ「あなた!」と、窓ガラスに映った顔云々、、をつないでみると、そういうことなんだろうな~っと思いました。。 ここからほんとにネタバレ↓ 心霊現象抜きで考えれば ロデリックは精神疾患。 犬事件は、偶発事故。 奥様は自殺。 キャロラインは殺人。 いろんな音は屋敷がボロの為。 または、ロドリックの告白を聞いたのはdocterだけ。 奥様を心理的に追いつめて、すべてはdocterが? あの一人称の文章にもトリックがあるのか? または、やっぱり古い屋敷のことだから、化け物もいたのかも? ネタバレとしましたが、あくまで私の考えですので、正解とは限りません。 様々な説が出せるでしょうね。 関連本 『アッシャー家の崩壊』 エドガー・アラン・ポー 『ねじの回転』 ヘンリー・ジェイムズ 著作紹介 『半身』 『荊の城』 『夜愁』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年01月24日 20時54分20秒
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