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殺人罪で収監された兄の冤罪を晴らすために、弁護士資格を取り18年かけて兄の無罪を勝ち取った女性ベティ・アン・ウォーターズの実話を、ヒラリー・スワンク&サム・ロックウェル主演で映画化。1983年ボストン。ベティ・アンの兄ケニーが殺人罪で逮捕される。収監されてなお無実を訴え続ける兄だったが、家族以外は彼の言葉を信用しない。そこでベティ・アンは親友のエイブラの助けを借りて、自力で兄を助ける準備を始める。監督は「恋する遺伝子」のトニー・ゴールドウィン。 スタッフ 監督トニー・ゴールドウィン ヒラリー・スワンク サム・ロックウェル ミニー・ドライバー メリッサ・レオ ジュリエット・ルイス これは、以前、TVで実話として紹介されたのを見ました。 日本では、上映されなかったそうですが、今回映画としてみることができて、本当に良かったです。 妹が、実の兄の為に、17年もかけて弁護士になるって、並大抵のことではないし、誰もができることではないと、心底思いました。 以下ほぼネタばれです。 ベティ・アンとトニーは仲のよい兄弟でした。親にかまって貰えず、万引きや不法侵入など、地元の警察に面倒をかける問題児でしたが、トニーはいつもベティをかばって、自分だけ罰せられていました。別々の施設に引き離されるシーンはほんとに可哀想でした。トニーは問題のある子供から大人になったようですが、ベティとの絆があったから、救われていたんじゃないかな、と思えました。 殺人事件が起こった頃は、ふたりとも家庭を持つ身でしたが、トニーは、常時、要注意人物と目をつけられてる存在だったことも災いしてか、十分な証拠が無いにもかかわらず、証言者の証言だけで有罪、終身刑となったのでした。 収監され、絶望したトニーが自殺を図ったことが、ベティの決心のきっかけでした。 兄の弁護を担当してくれそうな弁護士は、絶望的だったのです。 ベティは、家庭と仕事を持つ、高校も卒業してない普通の主婦でした。 夫は、兄のことは残念だけど諦めて自分たちの生活を大事にしたいという考えだったので、離婚となります。 子供たちは、ベティを良く手伝っていましたが、思春期に父親と暮らしたいと主張し、ベティは独りぼっちになります。 でも、くじけそうになるベティを支える友人の協力で、なんとか目的に向かって進んでいくのでした。 日本でも、以前、DNA鑑定で過去の冤罪が晴れるという事件がありました。 アメリカでは、こうした冤罪の可能性のある人を救うための団体があり、ベティは、そうした新しい科学捜査の時代に、なんとか救われたということが分かります。それでも冤罪の人が全て、容疑が晴れたわけではなく、10年以上も前の事件の資料は、通常処分されることが多いようで、トニーの事件もあやうく埋もれてしまうところだったようです。 昔の、警察のひどさも、また感じました。 トニーは、何度も自暴自棄になったり、絶望します。 「俺たちみたいなのは、いつだって、くず扱いされるんだ」 何度も絶望を味わった人でないと、分からないことばかりですし、冤罪についてのテーマの映画もいくつかあり、こうしたことに苦しんだ人がいたことを、少しでも知ることは大事なことですよね。 ベティ・アンの凄いのは、自分はトニーの為だけに弁護士を目指したので、今後は弁護士として活動はしない、ウェイトレスが自分の仕事だと、言い切っちゃってるところです。 これはTV放映の時の言葉です。 息子たちが、おかあさんの努力をちゃんと見てて、息子のひとりが「僕は弁護士になるよ」という言葉が、母としてはホントにうれしかっただろうと思いました。長い間の苦労も、トニーの無罪を勝ち取ったことと、おなじくらい報われただろうとおもいました。 監督トニー・ゴールドウィンは、2000年頃までは俳優として「ペリカン文書」「コレクター」「ラスト サムライ」などに出演。その後TVドラマなどやったようです。ベティ・アン役のヒラリー・スワンクは「ボーイズ・ドント・クライ」「ミリオンダラー・ベイビー」で、2度もアカデミー賞主演女優賞に輝いた人。兄のケニー役のサム・ロックウェルは「グリーンマイル」「ジェシー・ジェームズの暗殺」。二人とも素晴らしかったです。
ケヴィン・スペーシーとケイト・ウィンスレットの冤罪テーマの問題作品 かなり衝撃的な結末でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年09月26日 12時00分46秒
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