思い込み
生まれてこの方、殆ど病院に罹ったことがない明治生まれの村田一三さん(仮名)。正月に食べたり飲み続けてお腹の調子を悪くした。それが月が替わってもまだ続いていた。心配した妻のカメさん(仮名)に何度も何度も勧められ、しぶしぶ病院へ行って薬をもらってきた。その日の夕食時。食事中にフト箸を置いて、もらってきた薬を飲み、また何事もなく飯を食い始めた。それを見たカメさん、「どうして食べている時に薬を飲むのおかしいよ」言われた一三さん、思わずむっとして、「どうして食べている時に薬を飲むのって、薬袋を見てみろ」薬袋には「食間に服用」とあった。「食間」とは朝ご飯と昼ご飯の間のように「食事と食事の間」のこと。ご飯を食べている間、「食事の間」だと理解(むしろ誤解という方が正解かもしれない)していたのであった。この話は実際にあった話。モデルは今は亡き、私の両親であります。