片手に吊革・片手に文庫

2008/11/13(木)01:36

「みんないってしまう」山本文緒

読んだ本(253)

短編集。秋の夜長にちびちびと読みはじめたらとまらなくなってめずらしく1日で読了 --- 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 大人になるにつれ、時間はだんだん早くなる。物事は思った以上に早いスピードで流され、手のうちからこぼれおちていく。そんな時、大切な何かをひとつずつ失ってはいないだろうか?例えばそれは恋、信頼、友情だったり…。そうして残されるのは自分だけ。喪失を越え、人はたったひとりの本当の自分に出会う。希代のストーリーテラーが贈るかなしくも、いとおしい自分探しの物語。 --- どれも、ちょっと「痛い」感じの女性が主人公。 「喪失を越え、人はたったひとりの本当の自分に出会う」というコピーはちょっと大げさというか、誇大な感じがしないでもない。そんなに、構えて読むようなものでもない。 ありふれた日常のなかで、過ぎていってしまったものの中、なくしてはいけないものを気づかせてくれる物語って感じかな。 「みんないってしまう」「不完全自殺マニュアル」「表面張力」が印象的でした。 なかには、自分探し中なんかじゃなくて、しっかりと自分の足で歩いている女性もいる。 表題作「みんないってしまう」 偶然再会した同級生が、話をしているうちに、昔同じ男の子に二股かけられていたことを知り、じゃ、電話しちゃおうかと電話してみるものの、当人は胃ガンでなくなっていて・・・「こうやって懐かしい人がひとりひとりいなくなるのね」という彼女たちは実は・・・ みんないってしまう

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