2009/08/16(日)09:27
「空へ向かう花」小路幸也
8月は試験勉強月間で本や読まない(読めない)といいつつも、読み始めたら止まらなくなって、先日1冊読んでしまいました。
「空へ向かう花」小路幸也
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
ハルとカホは違う小学校に通う、六年生。接点などなかったふたりが、運命のいたずらによって引き寄せられる。心に傷を負った少年、少女、そして彼らを見守る大人たち。それぞれが懸命に、前を向いて歩いていく―。
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「僕は女の子を殺してしまった」
そんな独白から物語は始まる。不幸な出来事により傷を負った少年、そして壊れかけていく家族。そんな少年ハルが、出会ったカホとそしてイザさん、キッペイ。4人は、不幸な事故で死んでしまった女の子のために屋上に庭園を造ること。
ネタバレになってしまうので詳しくはかけないですが、
ある場面でいうイザさんの言葉
「子供は守るべき存在だ。」
それはごく当たり前の言葉だけれど、時として大人はそれを忘れてしまう。
自分の保身、自分の感情を優先して子供の未来への希望を摘み取ってしまう。
不幸な事件に巻き込まれた2家族の子供、そしてカホ。
3人の子供たちと、彼らを見守る大人たちの再生の物語。
最近、涙腺が弱く、やっぱり泣いてしまいました。
ゲームシナリオ作家として活躍していた小路さん
各章で視点を変えながら進む物語、決して明らかにされない不幸な事故。
物語の組み立てがよく、起承転結が明快。
ハッピーエンド好きの私にとって安心して読める作家の一人です。