「イルカ」よしもとばなな
今日のつり革読書はこれ。----恋愛を、「えんえん変化しながら続く個々の人間関係」と割り切っている小説家キミコ。そんな彼女が妊娠した。相手には20才も年上の内縁の妻ユキコがいた。妊娠を告げたキミコは同時に「でも、結婚はしたいと言ってきてもしないわよ」と言う。人は、個人個人がすこしずつ重なり合って生きている。その積み重ね。五郎とキミコとユキコ、そして妹、マミちゃん・・・そしてアカネちゃん。新しい命の誕生は、新しい自分の始まりでもある。----やっぱり、よしもとばななさんの文章が好きだ。さらさら流れて、それでいて深いところをついてくる哲学的なエッセンスが好き。書き留めておきたい言葉もたくさんでてくる。赤ちゃんがお腹にいた頃の幸せな時間、出産後の育児を思い出し、ほんわかと心が温かくなった。PS 昨日読んだ、「羽の音」が主人公がインフルエンザで終わるお話で、今日のイルカは偶然インフルエンザから始まるお話でした。