席亭の囲碁日記

2005/01/27(木)22:21

韓国棋士の棋風

 韓国囲碁年鑑を買った人が割合多いみたいなので、私なりに理解している韓国棋士の棋風を紹介しましょう。キャラが分かっていると並べる楽しみが深まります。 曹薫鉉   天才くんげん。瀬越門下に共通の疾風の如きスピードとカミソリのような技の切れを持つ。戦いは嫌いではないが、攻めるのではなく、攻めさせてそれを華麗に切り返す。軽快で爽快。 李昌鎬  言わずと知れた世界最強棋士。石仏。いまやオールラウンダ―だが、基本的にはじっくり構える。鬼手妙手も多いが、本領はじわりじわりと全局的に圧倒するところ。おそらくは形勢判断の確かさと手順の正確さがプロ棋士の中でも際立っているので、そういう芸当ができるのだろう。 劉昌赫  世界一の攻撃手。総じて辛い韓国棋士の中では珍しく厚み派に属する。(辛い部分もあるけど)力をためて、苛烈な攻めを展開する。その強烈な攻めはあの李昌鎬の重い腰を浮かせたこともしばしば。線の太い勇壮な棋風。最近はやや低迷しているが、トップ棋士であることには変わりない。 睦鎮碩   こちらも韓国では珍しい厚み派に属す。ときどき目外しなども用いる。中盤以降の寄り付きに注目。一時期は李昌鎬を苦しめたが最近は下の世代に押されてやや影が薄くなってきた。 李世石  いまや李昌鎬を凌ぐ存在。攻撃の碁・戦いの碁。しかし劉昌赫のようには力をためず、どんどん仕掛けていく。無理気味に見える仕掛けも多いが、天才的な技の冴えで相手をねじ伏せる。アマチュアが真似してはいけない碁。李昌鎬が静なら李世石は動である。 崔哲瀚  李世石と似たタイプ。非常に鋭い着想を持ち、思いも突かないような所から戦いが始まったりする。国内では李昌鎬からタイトルを次々奪い、トップに近づいている。 趙漢乗  若手の中では(崔哲瀚、李世石等に比べて)比較的穏健的で、布石もバランスを重視する。地には辛いが、必要と思えばかなり手厚く打つ。しかし勝負どころでは他の若手同様、厳しい発想と鋭い手筋を披露する。若手棋士の中では世界戦の実績でやや出遅れた観があるが、成績は毎年高水準を維持している。 朴永訓  終盤に定評があり、若手の中では比較的じっくり型。(もっとも戦いも強い)発想が柔軟で実戦的な処理がうまい。(常識的には受けるところを手抜いたり、ちょっと気がつかない冷静な受けをしたりする)今年は依田を破って富士通杯優勝。名実ともにトップ棋士の仲間入りした。  宋泰坤とかまだいろいろいるけど、今日はこれくらいで。 ---------------------------------------- ● 棋譜並べ状況(1/27)  日本囲碁年鑑2004 90局  韓国囲碁年鑑2002 170局  韓国囲碁年鑑2003 120局  韓国囲碁年鑑2004 手付かず

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