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テーマ:本のある暮らし(4534)
カテゴリ:Novel
・米澤穂信『黒牢城』 ――密室は、城であり、戦であり、人の心そのものだった。 時は戦国、舞台は1578年の荒木村重の謀反。織田信長に反旗を翻した村重は、有岡城に立て籠もり、長く孤立無援の籠城戦を続けていた。その城の奥深く、牢獄に囚われていたのが軍師・黒田官兵衛(如水)である。村重は敵でもあり旧知の仲でもある官兵衛に対し、城内で起こる奇妙な事件の謎解きを依頼する。 ・城という閉鎖空間で次々に起こる不可解な事件――重臣の密室殺人、井戸の底から出てきた死体、壁に埋められた遺体。戦の渦中にあるはずの城の中で、戦とは異なる「真実」が問われる。牢に囚われていながら、知略と洞察で事件の構造に迫る官兵衛。彼の推理が冴える一方で、村重の心は揺れ、戦そのものの意味も変質していく。 ・この作品は単なる時代小説やミステリではない。人間の本質、権力と猜疑、そして信義の在処を、戦国という極限状況を借りて描いた思想的な重みを持つ歴史ミステリ。事件の謎解きはあくまで入口であり、やがてそれらすべてが、城と男たちの運命を巻き込む巨大な構図へと組み上がっていく。 ・密室の謎と歴史の謎。閉ざされた空間で展開される静かなる頭脳戦は、やがて信長、村重、官兵衛それぞれの思想と覚悟を浮かび上がらせる。戦国時代という混沌を舞台にしながら、驚くほど静謐で、知的な緊張に満ちた一冊である。 ・受賞歴:第166回(2021年下期)直木賞受賞作、第12回山田風太郎賞受賞、2022年「このミステリーがすごい!」国内編 第1位、2021年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門 第1位、2022年「ミステリが読みたい!」国内編 第1位、2022年「本格ミステリ・ベスト10」国内編 第1位、2022年 第19回本屋大賞第9位 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.06.01 19:00:06
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