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テーマ:本のある暮らし(4560)
カテゴリ:Novel
・若竹七海『錆びた滑車』 舞台は神奈川県の架空都市・葉崎市。元警察官の経歴を持ち、現在は保険調査員として働く葉村晶が主人公のハードボイルド・ミステリシリーズ第3作。 葉村は、生活のためにいやいやながらも地味な保険調査業務をこなしていたが、ある日、旧知の女性からの依頼により、行方不明になったその妹を探すことになる。調査を進めるうちに、彼女の背後には家庭内暴力や借金、宗教団体との関係など、複雑な人間関係が絡んでいたことが明らかになる。 ・物語の中心には、「消えた女」と、彼女にまつわるいくつもの謎が浮かぶ。調査が進むにつれ、葉村は自らの過去と向き合わされることになり、やがて事件は不可解な死と暴力を伴って深刻な様相を帯びていく。タイトルの「錆びた滑車」は、動きを失った機械のメタファーであり、登場人物たちの止まった人生や崩壊しかけた日常を象徴している。 ・淡々とした語り口と冷めた視点、そして皮肉をにじませたユーモアが物語に独特のテンポを生み出す。ハードボイルドでありながら人間味があり、主人公・葉村晶の孤独と頑なさが際立つ作品。事件の全貌が明かされる終盤には、静かだが確かな衝撃が走る。 探偵のように謎を追うのではなく、現実の暗部に足を取られながらも一歩ずつ前へ進む葉村晶の姿が胸に残る。シリーズ中でも屈指の重さと深みを持つ1冊である。 ・受賞歴:2019年「このミステリーがすごい!」国内編 第3位、2018年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門 第6位、2018年「ミステリが読みたい!」国内編 第5位 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.06.01 20:00:06
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