テーマ:本のある暮らし(4190)
カテゴリ:Novel
・新潮45編集部『凶悪―ある死刑囚の告発』 一通の手紙が事件の始まりだった。死刑囚・須藤純一が「自分は真の凶悪犯ではない」と訴え、獄中から雑誌「新潮45」に告発文を送りつける。そこに記されたのは、裁かれていない複数の殺人事件と、その首謀者である「先生」こと上申書に登場する不動産ブローカー・木村修治の存在だった。 ・編集者たちは、須藤の証言を元に独自取材を開始。次第に明らかになるのは、金銭目的での冷酷非道な殺人の数々、そして警察や司法の網をすり抜けた人物の暗躍だった。須藤は確かに凶悪犯ではあったが、彼の告白は、さらに巨大な悪の存在を暴く突破口となる。 ・取材を通じて、編集部は「正義とは何か」「報道の責任とは何か」に直面する。実名での報道が持つ重みとリスクのなかで、真実を世に問う覚悟を固める。結果、記事は社会に大きな波紋を呼び、最終的に新たな逮捕と裁判へとつながっていく。 ・この事件は、単なる犯罪ルポを超えて、現代日本の司法、報道、そして人間の良心の境界を問う。暗い底なしの悪意と、そこに光を当てようとする者たちの葛藤が交錯する、戦慄のドキュメントである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.06.02 03:00:04
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