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2025.06.21
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カテゴリ:Novel

・伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』は、ありふれた市井の男が突如として国家的陰謀の渦に巻き込まれる逃走劇を描いた長編小説である。舞台は近未来の仙台。ある日、首相が爆殺される事件が発生。その犯人として仕立て上げられたのは、まったく無関係の一般人である宅配ドライバー・青柳雅春だった。

・巧妙に張り巡らされた証拠、仕組まれた世論、そして機能する国家権力。青柳は何がなんだかわからないまま逃亡を余儀なくされるが、彼の背中を押すのはかつての恋人、大学時代の仲間、恩人、あるいは見知らぬ誰かの善意――。極限状況のなかでも「誰かを信じること」「人間のつながり」を信じて走る青柳。
・やがて彼の逃走は、ひとつの祈りや願いのような“生き方の象徴”へと昇華されていく。物語の構成は、伊坂幸太郎らしい複数視点と巧妙な伏線、時間の跳躍によって成り立ち、まるで一曲のビートルズの楽曲(本作タイトルの由来)を聴くような感覚を読者にもたらす。逃げながらも青柳が心に留めるのは、「人は誰かのために生きられるか?」という静かな問い。それは壮大な陰謀劇のなかでなお、人間の尊厳を信じようとする純粋なまなざしであり、読後に残るのは“希望”という形のない余韻である。

「信じて送り出した相手が殺人犯って、どんな気分だろうね」
「信じたんだから、それで十分だよ」

物語を彩るセリフの数々が、どこか読者の記憶の奥深くと響き合い、ただの逃げる話に終わらない強度を与えてくる。

・受賞歴:2008 5回本屋大賞受賞








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Last updated  2025.06.21 00:00:11
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