テーマ:本のある暮らし(4182)
カテゴリ:Novel
・伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』は、ありふれた市井の男が突如として国家的陰謀の渦に巻き込まれる逃走劇を描いた長編小説である。舞台は近未来の仙台。ある日、首相が爆殺される事件が発生。その犯人として仕立て上げられたのは、まったく無関係の一般人である宅配ドライバー・青柳雅春だった。 ・巧妙に張り巡らされた証拠、仕組まれた世論、そして機能する国家権力。青柳は何がなんだかわからないまま逃亡を余儀なくされるが、彼の背中を押すのはかつての恋人、大学時代の仲間、恩人、あるいは見知らぬ誰かの善意――。極限状況のなかでも「誰かを信じること」「人間のつながり」を信じて走る青柳。 「信じて送り出した相手が殺人犯って、どんな気分だろうね」 物語を彩るセリフの数々が、どこか読者の記憶の奥深くと響き合い、ただの“逃げる話”に終わらない強度を与えてくる。 ・受賞歴:2008年 第5回本屋大賞受賞 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.06.21 00:00:11
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