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テーマ:本のある暮らし(4316)
カテゴリ:Business
・相川秀希『面接・面談の達人』は、面接や面談を「人を見抜く場」ではなく、相互理解と意思決定の精度を高めるためのビジネスプロセスとして捉え直す一冊だ。著者は人材業界・採用現場での豊富な経験をもとに、感覚や属人性に頼らない、再現性のある対話技術を提示する。本書が扱うのは、採用面接に限らない。評価面談、1on1、キャリア面談など、立場が変わっても使える対話の設計思想が中核にある。 ・前提:面接・面談は「情報収集の場」である 多くの面接が失敗する理由は、 - 話しすぎる - 誘導質問が多い - 先入観で判断する といった、情報取得の設計ミスにある。著者は、面接官や上司の役割を「評価者」ではなく、情報を引き出す編集者と定義する。 ・良い質問が、良い判断を生む 本書の中心は「質問設計」にある。 - 事実と解釈を分けて聞く - 過去の行動を具体で語らせる - 仮定ではなく実体験を掘る これにより、候補者や部下の思考特性・再現性・価値観が浮かび上がる。 ・面談は評価よりも仮説検証 一度の面接で見抜こうとする姿勢は、判断精度を下げる。著者は、仮説を立て、質問で検証し、必要なら保留するというプロセスを重視する。「合う・合わない」は直感ではなく、業務要件との適合度で判断すべきだという立場が一貫する。 ・面談者の安心感が情報量を決める 相手が構えた状態では、正確な情報は出てこない。評価軸や目的を事前に共有し、心理的安全性を確保することが、結果的に判断精度を高めると説く。 1. 面接力=意思決定力 採用や配置のミスは、コストが大きい。面接・面談の質は、そのまま組織の意思決定の質に直結する。 2. 直感を疑え 経験が増えるほど、思い込みは強化される。本書は、直感を否定せず、構造で補正する方法を提示する。 3. 対話はスキルであり、才能ではない 聞き方・質問・沈黙の使い方は、訓練で改善できる。属人化を排し、チームで共有可能な技術として整理されている点が特徴だ。 ・『面接・面談の達人』は、人間理解を美化せず、判断精度を上げるための実務書として書かれている。人を見極めるのではなく、誤った判断をしない仕組みを作ること。その視点を持つことで、面接・面談は属人的なイベントから、再現性のあるビジネスプロセスへと変わる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2026.01.23 00:00:14
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