000000 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Digital Book Library of SKPI

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

DBL_SKPI

DBL_SKPI

Keyword Search

▼キーワード検索

Category

カテゴリ未分類

(0)

Business

(329)

Novel

(509)

Manga

(143)

Life

(217)
2026.07.09
XML
カテゴリ:Life

・「迷ったら、ゆずってみるとうまくいく」は、曹洞宗の僧侶であり庭園デザイナーでもある 枡野俊明 が、禅の思想を現代人の日常に応用した人生論である。タイトルだけを見ると、「譲歩のすすめ」や「人に負ける技術」を説く本のように見える。しかし本書が伝えようとしているのは、単なる我慢や自己犠牲ではない。著者が語る「ゆずる」とは、執着を手放すことである。

 勝つことへの執着。

 認められたいという執着。

 正しさへの執着。

 損をしたくないという執着。

そうした心のこわばりを少し緩めることで、人はもっと自由に生きられると説く。本書に小説的な物語はない。しかし全体を通して描かれているのは、現代社会で生きる一人の人間が、競争や比較に疲れながらも、心の平穏を取り戻していく過程である。

 職場での人間関係。

 家族とのすれ違い。

 将来への不安。

 SNSによる比較。

日常のなかで生じる数多くの「迷い」に対して、著者は禅的な視点から答えを提示していく。その答えは驚くほどシンプルだ。無理に勝とうとしなくていい。無理に証明しなくていい。一歩引いてみる。譲ってみる。すると見えてくる景色が変わる。これが本書の基本的な構造である。

・本書は現代人のための小さな禅問答集とも言える。枡野俊明の文章は難解な仏教用語を振り回さない。むしろ日常の些細な場面から話を始める。電車の中での出来事。職場での摩擦。家庭での会話。そこから静かに禅の世界へ読者を導いていく。

その語り口には説教臭さがなく、むしろ庭園を散策するような穏やかさがある。

・本書の本質的な価値は、人生の問題を解決しようとするのではなく、問題との距離を変えることを教えている点にある。現代の自己啓発書の多くは、「もっと頑張れ」「もっと成長しろ」と背中を押す。しかし本書は逆方向を向いている。

 立ち止まれ。

 力を抜け。

 執着を手放せ。

その姿勢は一見消極的に見える。だが実際には、非常に能動的な生き方である。なぜなら手放すことは、逃げることではなく選択することだからだ。本書の助言は抽象的に感じられる部分もある。現実の厳しい競争環境では、常に譲っていては損をする場面もあるだろう。また、組織の中では自己主張が必要な局面も少なくない。しかし著者が言いたいのは無条件の譲歩ではない。それは、本当に守るべきものと、手放してもよいものを見極める知恵である。

・『迷ったら、ゆずってみるとうまくいく』は、競争社会に疲れた人への処方箋であり、現代版の禅の入門書でもある。30代から40代の読者にとっては、仕事や家庭で多くの責任を背負う時期だからこそ、そのメッセージが深く染みるだろう。本書が教えるのは勝ち方ではない。もっと静かで、もっと難しい「力を抜く技術」である。そしてその技術こそが、人生後半を豊かに生きるための重要な知恵なのかもしれない。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

迷ったら、ゆずってみるとうまくいく [ 枡野俊明 ]
価格:1,628円(税込、送料無料) (2026/5/16時点)







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2026.07.09 00:00:11
[Life] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X