コーエー出版部編『三国志 正史VS演義』
三国志正史vs演義『爆笑三国志』シリーズみたいな「おふざけ」な本かと思ったら、意外としっかり考察してた。『蒼天航路』や、北方謙三版『三国志』は、『正史』を基にしてるそうだけど、この『正史VS演義』を読めば、どこまでが『正史』で、どこが『演義』からの拝借だったり、創作なのかがわかる。最近では『演義』で悪役にされている曹操の再評価が大きいけれど、この本では、董卓や袁紹・袁術の再評価もされており、袁紹・袁術のほうが先駆的な思想を持っており、むしろ曹操のほうが古い考え方であり、袁紹のパクリが多い、ってなとこも興味深い。「何進VS宦官」→「董卓VS袁紹」→「袁紹VS袁術」と、当時の派閥争いが誰と誰を中心にどう変化していったかもわかりやすい。