テーマ:ニュース(100158)
カテゴリ:仕事を離れてふと思う
最近,少年・少女による犯罪が世間を騒がせている。少し前には,長崎での小学児童による児童殺傷事件が世間の耳目を集めたし,最近では,大阪での17歳少年による小学校教諭殺傷事件が世間の注目を浴びた。
そのような事件を起こす少年達にはどのような事情が作用していたか,ということについては児童心理学者や社会学者がさかんに研究している。また,裁判所の中にも家庭裁判所調査官という心理学等の専門家がいて,事件を起こした少年の個別事情について調査している。 家庭裁判所調査官という仕事は,「家裁の人」という番組で有名になり,裁判官を除いて,私たち裁判所職員の中で最もポピュラーな仕事なのであえてここで書く必要はないでしょう。家庭裁判所調査官の方のブログを見たければ,ここをクリックして下さい。 児童心理学等について全くの素人である私には,少年犯罪が起きる背景事情やそれらを未然に防止する手段等についてはとても書けない。その点については,心理学者や家庭裁判所調査官の人の書物なりブログを読んでもらいたい。 ただ,法律的な観点からひとつだけ言えることがある。すなわち,大人の犯罪については,通常,犯罪を犯した人の責任だけを考えていれば良い。しかし,少年犯罪については,その少年のまわりの大人の責任も考えなければならないのだ。 このことは,誰しも感覚的にわかると思う。例えば,小学生が万引きをした場合,まずは親等の保護者に連絡するだろう。「あなたは子供にどんな教育をしているんだ」等と親に対して堂々と説教をする警察官もいると思う。万引きなどしないようにしつけなかった親を非難しているのだ。 このような根本的な違いから,大人の犯罪と子供の犯罪には,裁判手続きにも様々な違いが生じてくるのである。明日から,少年犯罪の裁判手続きについて,大人の犯罪の裁判手続きと比較しながら,日記を書いていきたいと思う。ただ,実は私は少年事件を担当した経験が全くないので,誤解があればご指摘いただきたい。 ←最後にここをクリックして下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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