それ行け!ろろちゃん 最終回
これは・・・とある会社に入社した美人パートのお姉さんは見た!物語である。尚、この会社は存在しない架空会社です。フィクションである。よろしく。第17話は、こちら俺、今日までなんだ。明日で契約切れるしお別れ。まだナイショだよ。ろろさん、心配しなくても大丈夫だから。短い間だったけどありがとうね。要人望さんは、ろろにこう告げた。私達はどうしたらいいんだろう。そんな心配を胸にしつつも、ろろは、仕事を終え、帰宅した。会社からの帰り道、工場の友達に連絡を入れる。そちらの動きはどう?なんか不穏な動きあり。在庫で100台近く抱えている、機械を製造元に全て送り返したんだよね・・・えええ?なんでだろう。また情報が入ったら教えてね。そして夕方6時過ぎ門星ちゃんからメールが入った。至急、連絡ください!と。会社に電話をしてみると先ほどの発表で本日付で、従業員全員解雇になりました。倒産の手続きに入りました。明日からは、危険なので会社近辺には来ないでください。私達も、もう早急に荷物をまとめて退社するように言われています。ろろさんが、今からきても私物は取り出せないし間に合わないです。会社が倒産した。要人望さんは、このことを事前に知っていてだから、お別れの挨拶をしてくれたんだ。と、後になってわかった。さて。全員解雇になった。倒産の手続きに入った。と言っていたが、実際は・・・なかなか倒産をしない。それから、事前に残しておいた江路に忠実なYESマン社員5、6名は財務処理と言う名の、裏では次の会社へのプロジェクトが動いていた。(しかも会社倒産の何ヶ月も前から)この、5、6名は、ひとりあたり、30万の報奨金が支払われている。そして新しい会社の社長に、全く無名の工場にいた男性が担ぎ上げられた。いわば計画倒産。負債総額9億5千万円をチャラにする為の江路の仕組んだシナリオだった。9億5千万の中には、あの、横流し携帯会社や、業務提携した会社、ご近所のお弁当屋さん達、ジュース販売店、その他、海外、国内の仕入先も含まれている。江路は、一文無しになっていた。妻と子供に全て名義変更をし、江路名義の財産が無いのである。つまり、倒産しても、江路は文無しになったので(いや、文無しにしてから倒産したので)国は何も徴収できない。ここまで用意周到だった。新しい会社の人達は弁護士を通じて、今まで販売した相手先への修理、メンテナンスを引き受けるという名目で立ち上がり、部品などは、全て、工場からせっせと引き上げていた。(本来なら、差し押さえのはずが、パソコンから事務製品まで運びだされている)(メンテ目的と称しているので、取り締まれないようだ)そして、新しい会社は、江路とは全く無関係であると主張しているがそんなはずはない。月日が流れ倒産騒動から半年が過ぎたある日。江路が亡くなったと風の便りに聞いた。江路は末期がんだった。江路が入院していたのはがん治療の為だったし、面会謝絶も事実だが、倒産から逃げるための隠れ蓑ではないのか?本当にガンなのか?騙された側からしてみれば半信半疑であった。でも。倒産する寸前に、一度、会社の顔を出していたがその時はもう、やせ細り、酸素ボンベを引く姿をろろは見ている。寿命半年と告知されてから、ぴったりに亡くなったと耳にしたから、あながち、嘘ではないのである。しかし・・・風の噂でしか流れていない。誰も、彼の葬儀に参列した者はいないし、誰も、本当に亡くなったのか知る者はいない。そして、あれだけ、大物人物だったのに(ろろ会社以外でもネットで検索すれば名前は出ていた)訃報として一切報じられていない。もしかして江路はまだ生きているのかもしれない!?説もいまだに流れているのであった。新しい会社はまだ稼動している。江路の意思を継いで。そして当然、裏で糸を引いている人物が存在する。糸引金男(いとひきかねお)江路の側近秘書だった。このろろ会社も糸引が、江路さえも操り、(ガンで入院中は全て糸引の指示だったし)全ての黒幕は彼。糸引は、今日もどこかで次のターゲットを探しているよ。 完長い長いろろ物語にお付き合いいただきましてありがとうございました。