ルネサス高知工場、撤退へ
経営の立て直しを進めている大手半導体メーカーの「ルネサスエレクトロニクス」は、子会社の高知工場を2018年をめどに閉鎖する事を発表しました。CIMG1094 posted by (C)デブリーナポコポン(香南市(旧香我美町)にあるルネサステクノロジ。前には元三菱電機社長の進藤貞和氏(高知県出身)の銅像もある。) 高知工場は1986年に三菱電機高知工場として操業開始、自動車や家電向けの半導体回路を生産し、ピーク時の1995年の製品出荷額は約958億円で、従業員は協力会社も含め1000人を超えていました。しかし海外との競争激化を背景に2000年代に生産量が減少。官民ファンドの支援も受け、全国の工場閉鎖や人員削減を進めながら経営再建に努めてきました。 2010年に住友電気工業(大阪市)に工場の一部スペースを賃貸して高機能の化合物半導体デバイスの開発を後押し、これを将来の事業の柱として見据えていました。2013年に製造拠点の再編計画を発表し、高知工場は規模を縮小し維持する方針でしたが、稼働率の低迷や収益性の維持が困難なため、工場の閉鎖方針を決定しました。ルネサスエレクトロニクスと県は今後、工場の売却先を探し、協力会社も含めた従業員約360人の雇用の維持に努める方針を発表しました。高知県内製造業の代表の撤退は、県民にとって大きな衝撃を与えた事でしょう。