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横浜は燃えている!

横浜は燃えている!

朝のお勤めとは





   ●2004年2月25日

    「朝のお勤めに参加される場合は事務所の前に6:15に集まって下さい」と前夜のうちに
   言われた。?って事は強制でもないのか?まぁしかしこの智積院の朝のお勤めに参加する
   のが今回の旅行のテーマだったので強制でも自由でも参加する事に変わりはない。



    6:15にと言われたから6:15に事務所の前に言ったら「さぁ行きましょう」と言われ
   てしまった。つまり6:15までに着いてなくてはならないようで、6:15に着くようでは
   遅いようであった。微妙な事ではあるが、ちょっとした心構えの差なのであろう。




    まもなく3月なので6時といえど、外はもう薄明るい。まずは金堂に行くようだ。正面
   脇の地下へ行く階段から入っていく。靴を脱ぎ、内階段を上っていくと金堂の中に出る。
   結構新しいのかなぁと思える建物の真ん中にはご本尊の大日如来様がいらっしゃる。黒い
   袈裟を着たお坊さん達が大日如来様の脇左右にズラリと座っている。黄土色の袈裟を着た
   お坊さん達はその後ろの方に座っている。



    私たちのお世話をしてくださるお坊さんが小さい声で「ここでは焼香をしますが、まず
   私がやりますから後に続いてやっていってください」というような事を説明してくれる。
   焼香なんて葬式の時位しかやる機会がないので普段やるとまた気分も違う。あの粉の様な
   物はとっても良い香りがするんだと発見。


    一人のお坊さんの合図でお経の大合唱が始まる。黒い袈裟を着たお坊さん達は経典を見て
   唱えているが、黄土色の袈裟のお坊さん達はそらで唱えている。一番偉いと一見してわかる
   お坊さんが入ってきてあちこっちと場所を移動して何かをしている。時計を持って行かな
   かったが、結構長い時間お経があげられていた。




    次に明王殿へ移動する。たくさんのお坊さんと共にまた靴を履き外へ出て明王殿へ行く。
   お坊さん達はものスゴく行動が早い。私は素早く脱ぎ履き出来る靴でなかったので若干遅れ
   を取ると道に迷いそうになった。ビリで明王殿に入るとお世話のお坊さんが立って待って
   いてくれた。いい感じで年期の入った明王殿は金堂より小さいのでお坊さんがギッチリと
   入ってお経を唱えるとものスゴイ迫力になる。しかもここでは護摩を焚くし、大太鼓などの
   鳴り物も入ってくるのでちょっとワクワクしてくる。



    この太鼓は昨夜聞こえてきた太鼓だったのか、と太鼓に知らぬうちに注目していると
   ドンツク、ドンツク、ドンドンドンドンというこのリズム。いつも毎年初詣に行っていた
   高尾山薬王院のと一緒ではないか!後で知ったのだが、この智積院は高尾山薬王院は勿論
   ご近所の川崎大師平間寺の上に位置しているのだ。仏教学校出身とは言え仏教全般に詳しい
   ワケでないので「おぉそうだったのか!」と思わぬつながりにちょっと感動する。



    この明王殿での護摩では外の鐘も非常に上手いタイミングでゴォ~ンと鳴る。音楽家の
   血が騒ぐ、一体どうやってタイミングが合うのかちょっと知りたい気もする。明王殿では
   あっという間に祈祷も終わってしまった。明王殿を出る前に小さなお札を頂いた。高尾山
   の初詣もやはり小さいお札をもらえていた、やはり。


  

    次は千利休も好んでいた小堀遠州の庭園を見学させてもらう。また靴の脱ぎ履きだ...。
   結構規模は小さいとは思うのだが設計が良いのだろう、狭っ苦しい感じは無く時間が許せば
   のんびり過ごしたくなる感じがある。お坊さんが飽きさせない説明をしてくれる。そして
   説明が一通り終わると「お茶でも飲みたいでしょう?後ろに用意してあります」と、なんて
   エンターティナーな進行をしてくれる。お茶と甘くて柔らかいおせんべいが供され、記念の
   手拭を頂く。



    そしてこの書院のふすま絵の現物(書院のは保護の為模造したのが飾られている)が
   納められている収蔵庫を見せてもらう。この智積院自体豊臣秀吉が早くに亡くなった息子の
   為に建てたお寺の一部もあるからあらゆる所に秀吉の話が出てくる。NHKの大河ドラマも
   見てないし事前に勉強もしてこなかったのでお坊さんの話にも驚きが多い。



    そういった話を聞いた後でのふすま絵は絵の素晴らしさと共に書かれた背景も非常に
   感慨深いものがある。私たち宿泊客は拝観料は取られないでこれだけ丁寧な説明を受けた上
   この収蔵庫のあるふすま絵のトリックのようなものまで教えて頂ける。秀吉や長谷川等伯の
   気持ちを思えばどうしてこういうトリックにして、それを眺めたのかの方がネタよりも心に
   響く。これで朝のお勤めは終わる。一通り終わって再び外へ出るともうすっかり明るい。
   気がつけばもう朝ご飯である。




    朝ご飯は宿坊一階の食堂にて。何と納豆が...!関西の人は納豆を食べないのでは?
   私は食べられないが、その分を旦那が大喜びで食べてくれる。関東圏の納豆の入れ物はほぼ
   正方形なのだが、こちらのはもう少し小ぶりにしてやや長方形の入れ物だ。納豆好きの旦那
   は「おいしいおいしい」と大喜びで食べている。その頃になって外人さん達2名は合流して
   きた。きっと前から宿泊しているのだろう、朝のお勤めも夕食も一緒でなかった。やはり
   納豆は食べられないようで旦那に食べるようすすめていたが、さすがの旦那も3つも4つも
   食べられないのでありがたく断っていた。


    部屋に帰ると8:30過ぎであった。今夜は別の旅館に泊まるので宿坊を出る準備をする。
   荷物をまた事務所で預かって頂き、すぐ近くにある三十三間堂へ歩いていくことにする。
   



    


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