2014/09/27(土)11:52
人の善意に賭ける(ネスカフェ編)
先日の新聞で、ネスカフェのアンバサダーの記事が目に留まりました・・・
何でも、アンバサダー(大使)に応募した方は「ネスカフェ」のコーヒーマシンをオフィスで、それも無料で使用できるそうで、そのうえで、アンバサダーはコーヒーの代金をオフィスで集め、「ネスカフェ」を通販で購入していただき、一方ネスレ日本は、コーヒーの売上で利益を得るという仕組みという、これは善意の集金が成り立つ日本独自のシステムと言えるかもしれません・・・
誤魔化そうと思えば、いくらでも誤魔化せます・・・
そこを、日本人の善意に託そうという事です・・・
こんなビジネススタイルが成り立つのも日本だけか・・・
日本人は、よっぽど信用があるのですねェ・・・
田舎に行けばよくある、野菜の無人販売所みたいな発想です・・・
お金を置いて行ってください・・・みたいな・・・
お金を置いて行っても、誰かがお金を盗んだらどうするのかと・・・要らぬ心配をしてしまいますが・・・
実は私も、人の善意に託したビジネスを一方でやっているのです・・・
岸和田市東ヶ丘町で「月極駐車場」の運営管理をしていますが、まだ全台埋まっていませんので、暫定的に「時間貸し」も行っているのです・・・
一般的な時間貸しだと、機械設備が必要になりコストが掛かりますが、弊社は支払いを近くのATMでやって頂く事で、コストを掛けないようにしています・・・
現地に時間貸しの看板を立てているだけで(振込先や口座番号も明記)、それを見られたお客さんが弊社に電話かメールが来ます・・・
空き(停車)番号を伝えて、ATMで振り込んで頂いて、その領収書をフロントガラスの内側に貼り付けてもらうという寸法です・・・
たった、それだけです・・・人件費も何もかかりません・・・
近所の人の善意に、完全に任せているのです・・・
まァ、時々巡回していますので、その時にその領収書が証拠になる訳です・・・
ただ、しょっちゅう巡回する訳にも行きませんので、不法駐車が心配です・・・
そこで、そこは人の善意に任せるしかないのです・・・
幸い、この東ヶ丘町は野村不動産が開発した昔の高級住宅街ですので、住民のレベルが高く、未だに不法駐車が1台もないのです・・・
更に、東ヶ丘町に親戚がいたり、近所の方が頼んでいないにも拘らず、ご親切にも不法駐車がないか監視してくれているようです・・・
という事で、ケースバイケースでこういった人の善意に任せた(賭けた)ビジネスも存在するのだと思います・・・
しかし、ネスカフェのマーケッティング力に感心します・・・
コーヒーは至る所で販売され、飲まれています・・・
誰もが、もう飽和状態と考えています・・・
普通なら、コーヒー以外の分野に力を入れるところです・・・
ところが、ネスカフェが自社の弱点とされるオフィス分野に、コーヒーマシンをオフィスに無料で提供して、アンバサダーという「新しい売り方」で主力のコーヒーを拡販したのです・・・
不景気でオフィスでタダでお茶やコーヒーを出すところは激減しました・・・
そこに目をつけ、1杯14円で美味しいコーヒーを提供すれば、売れると見込んだのでしょう・・・
私はスーパーで20円程度の美味しいドリップコーヒーを買って飲んでいますが、その辺を意識した価格設定でしょう・・・
カフェチェーンで200円前後ですから、2倍の30円でも売れると思うのですが・・・
他社の新規参入阻止を目論んで、最初から採算ギリギリの戦略を取っているのか・・・
確かに、1杯14円ではボロ儲け出来ないと、他社は新規参入に二の足を踏むでしょう・・・
トルコ旅行に行った時に驚いたのが、コーヒーと言えばネスカフェ、つまり「ネスカフェ=コーヒー」で、極端な話、カフェでコーヒーと注文しても通じなくて、ネスカフェと注文しないとコーヒーが出て来なかったのです・・・
ネスカフェという言葉が、コーヒーを意味する普通名詞だったのです・・・
ここまで、ネスカフェのマーケッティングが完璧かと・・・
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