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カテゴリ:中小企業の生きる道
11月末で、リハーサル音楽スタジオ「スタジオ0724」をオープンして9ヶ月経ちました。
無我夢中の9ヶ月でしたが、何でも、過ぎれば早いものです・・・ スタジオは会員制ですが、すでに250人を超えました。 スタジオを始めてから、色々とワカッテきたことがありました・・・ 当初予想していた事が外れたり、想定外のオファーが飛び込んで来たり、新しい事を始めるというのは「怖い事」と同じくらい「楽しい事」があるというのは、ヤッテみた本人しか分からないモノです・・・ それは、他人が考えたアイデアに乗るフランチャイズや代理店といったビジネススタイルと全く次元の違う話で、それがビジネスセンスの蓄積にもなり、本当のノウハウに繋がっていくのでしょう・・・ 時代は変わっても、苦労しなければ何も身に付かないのは同じだと思います。 ただ今はネット社会なので、デジタル的な手段を駆使しながら、アナログ的な実際の苦労と言った方がイイかもしれません・・・ デジタル100%では底が浅すぎ、アナログ100%では時代錯誤というべきか? 経費で最も高い人件費とデジタルへの投資金額も絡んでくると、それは人材も資金も少ない中小零細企業にとって頭の痛い話で、その辺のバランスをどう取るかで勝負が決まると思います。 ふた昔のように、経営者の傍らに番頭がいて自分が何も知らなくても彼に任せておけばOK・・・というのは過去の話で、既にアナログテクニックを十分持っている経営者自身が「デジタル武装」しなければならない時代に既に入っています。 そういう意味で、ウインドウズ95が発売された21年前からパソコンに馴染み、携帯電話も25年くらい前の初期の頃から「転送電話」を利用して使っていたのが、デジタルを「徐々に親しむ」という意味で効果があったのでしょう・・・ 普通の人間なら、何でも「急に」とか「いきなり」というのは無理だと思います。 必ず「助走」が要るのです。 助走期間が短いか長いかは個人差に寄りますが、私はチョッと鈍いので人より時間が余計に掛ったのです・・・(笑)。 頭の回転が少し鈍い分、人より先にスタートする必要がありますので、嗅覚の方が人より発達していたかも・・・(笑)。 10年前に織物業を廃業してから、織物業とは全く違う世界の仕事を1人で「トランクルーム」「不動産屋」「スタジオ」と、3つ新しい仕事をひとつひとつ徐々に始めてきた訳ですが、ステップバイステップ、ジワジワと新しい仕事を覚えて行きました・・・ まだまだ新しい業界であるトランクルームやスタジオは全く自己流、歴史の古い業界である不動産屋は全くの一から宅建資格勉強から始め、たまたま「良き先輩」に巡り合い、実践を兼ねて彼らとの付き合いの中で色々と教わり学びながら不動産の仕事を8年間やってきました・・・ 要するにトランクルームは10年、不動産は8年、スタジオは9ヶ月続けてきました。 従業員を一切雇わず全てひとりで熟してきましたので、ボチボチしか進める事が出来ませんでした。 しかし、このボチボチがイイのだと思います。 一挙に儲ければ、何が何だか分かりません・・・ 何で急に儲かったのか?何が好結果をもたらしたのか?・・・その「本当の原因」が分からぬまま浮かれて放って置けば、ある日突然売り上げが急落します。 時代に流されず自分なりにシッカリ分析をしないと、トンデモナイ結果が起こり得ます。 そんな事を30年前の織物時代に経験しました。 その時代の「流れと勢い」で、余り状況分析もしないで設備織物機械(織機)を更新したのです(古いシャットル織機を最新のエアージェット織機に全て入れ替え)。 更新当初は業績も良かったのですが、バブルも弾け国内の同業者同士の競争が激しくなり、勝ち残っても輸出先で後進国との戦いで大苦戦しました・・・ 20年間355日24時間工場稼働で身を粉にして働いても、その間の国内外の競争で疲弊し、グローバル化に翻弄され、結果廃業せざるを得なくなったのです・・・(涙)。 代償が高くつきましたが、それでイロイロ勉強させてもらいました。 更新をせずに、そのままシャットル織機で織物業を続けていたら傷も浅かったでしょうが、得るものも少なかったでしょう・・・ 身の丈以上の何億もの設備更新に大きく舵を取ったからこそ、得るモノも大きかったと思いますが、同じように更新に大きく舵を取った多くの同業者には倒産が相次いだのも残念ながら厳しい現実です。 たまたま弊社は、他社より1年早かっただけで生き残れただけです。 言うなれば、鼻の先だけスタートを早く切っただけです。 スタートしたのがバブル前年の円高不況の1987年で、多くの他社はバブルに入ってから雪崩を打って設備更新に走って行ったのです・・・ その結果約10年後に負債総額が約300億と、貝塚市史上最悪の倒産も同業者だったのです。 エアージェット織機1台が1000万円と言われていましたし、銀行が青天井に貸してくれるバブル時代でしたから、そんなにも金額が膨らんだんでしょう・・・ 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という日本人の群集心理を突いた誰かのフレーズがありましたが、正に泉州地区の多くの織屋がバブルという大きな波に乗り設備更新に走ってしまった結果、大変な事になってしまったのです・・・ この20代後半から40代後半の経験が、私の経営(生きる考え方)の根本になっています。 零細企業経営者にとって「仕事=人生」ですから、仕事上の経験がすべてです・・・ 仕事が上手くいかなかったなら、すべてアウトです。 気分転換も休日も、趣味も遊びもヘッタクレも何もないのです。 これが、零細企業経営者の厳しい現実なのです・・・ 起業して10年で95%が倒産廃業しているというデータがそれを如実に物語っています・・・ 100%仕事、仕事といっても、ずば抜けた体力と精神力がなければ身体がとても持ちません。 ならば、私みたいな普通の人間はどうするか? 力を抜くのです。 最初は100%力を出しますが、やっていくうちに「長く続けるコツ」を掴んで、力を上手に抜くのです・・・ だんじりの大太鼓の1番早い4番太鼓(駆け足)を叩くのに、相当なパワーとスタミナが要ります。 100%の力で叩けば1分持ちません。 しかし身体の使い方のコツを掴めば、長く叩けるのです。 90%で5分、80%で60分、70%で120分もつでしょうか・・・? 大学時代の空手部の基本稽古でも、例えば正拳突き100本といっても、100%目一杯力を入れて突けるものではありません。 インパクトの瞬間だけ力を込めて突くのです。 そうしないとスピードが出ませんし、拳が走らないのです。 そういったコツを掴めるのも、毎日基本の1アイテムだけで100本突くからこそ掴めるのです。 それと同じように、仕事でも先ず「覚悟」を決めて、100%全身全霊努力するうちに長く続けるために、自分なりに段々力を抜いて行くものです・・・ それこそ、正にコツを掴もうとしている健全で自然な姿だろうと思います。 決して、無理をしてはいけません。 110%の目標を掲げて努力するのはイイですが、110%の力を出せば壊れてしまいます。 実際、20年間355日24時間工場操業をしていましたが、もちろん実際24時間仕事していた訳ではありませんが、感覚としては70~80%くらいの力を出していたような気がします。 サラリーマンと違って、会社に借金があれば金融機関に対して零細企業経営者は個人保証をするのが普通で、この責任の重さは尋常ではありませんから・・・ 大手企業のサラリーマン社長は会社が倒産しても個人財産が減る心配もありませんし謝っただけで済みますが、零細企業は個人の自己破産は当たり前で、離婚で一家離散や自殺は普通にあります。 サラリーマンは本質的に気楽な稼業というのは、そういうところからだと思います。 そんな鼻血も出ない過酷な零細企業の仕事だからこそ、成功すれば大きな自信に繋がり、生きている実感と充実感に浸れるのです・・・ 言うなれば、公務員はローリスク・ハイリターン、民間サラリーマンはローリスク・ローリターン、中小零細企業経営者はハイリスク・ロー(ミドル)リターンか・・・ 仕事のヤリガイだけが、ダントツにオーナー企業にあるのか・・・(笑)。 話がだいぶ横道にそれましたが、トランクルームも不動産もスタジオも「ネット集客が基本」だからこそ、1人で出来るのだと思います。 基本というより、ほぼ100%ネットに頼っていると言えるかもしれません。 それほど今はネット社会で、零細企業にとってネットさまさまなのです・・・(涙)。 10年前のトランクルーム起業からホームページ(ウエブサイト)とブログを中心にネット集客に力を入れてきましたが、ここ2,3年は更にフェイスブックやツイッターやLINEといったSNSにも力を入れています。 ホームページが4つ、ブログが1つ、フェイスブックが5つ、ツイッターが1つ・・・これらの管理と更新を1人で片手間にやっています。 普通の人間がITをチョッと勉強すれば、これらを1人で出来るのです。 正に、デジタル社会の恩恵を受けているのです・・・(涙)。 若者はIT能力が高いですが、人生経験や社会経験が浅いのがウイークポイントです。 シニアは経験豊富ですがIT能力が低いので、ITの勉強すれば若者に勝ち目があります。 ソコなんです・・・ ベンチャーや何やかやと、20代30代の若者がもてはやされていますが、実際独立起業で成功しているのは50代以上のシニア層の方が多いようです・・・ やはり、ポイント中の「ポイントはコンテンツ」なんだという証拠でしょう・・・ 9つも資格を取りましたが、残念ながら独占業務で国家資格である「宅地建物取引士(宅建)」以外は殆ど収益に結びついていません。 資格は必要最小限で十分。 今更ながら、受験勉強に費やした膨大な時間を悔いても仕方ないですが、何故もっと実務経験の蓄積の重要性に気付かなかったと残念でなりません・・・(涙)。 資格業界に翻弄され踊らされ、いつの間にか本末転倒の資格取得が目的になってしまっている・・・そんな自分に酔っているバカさ加減は他人から見たらアホそのものです・・・(笑)。 そんな回り道を反省しながら、コンテンツの充実に励み、日々進化するITの勉強を怠らず、3つのビジネスをより深く掘り下げ、自分の掲げた目標に向かってボチボチ歩みたいと思います・・・ にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 大阪府 ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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