トランクルーム貝塚のオヤジ奮戦記

2023/08/13(日)13:33

業者なんか不要!独立独歩のレンタル業(トランクルーム&音楽スタジオ)

中小企業の生きる道(206)

現在トランクルームや音楽スタジオを営んでいますが、エンドユーザーと間に業者が一切入っていません。 土地と建物の所有者である弊社が、直接エンドユーザーと契約(会員登録)を結んでいるのです。 17年前まで57年間営んできた泉州の地場産業だった織物業は、単独では決して生きていけませんでした。 織物業は日本の繊維業界という長くて古い流通の真ん中あたりの「川中」業種で、最終消費者からかけ離れたところのポジションでした。 注文は主に大阪本町の繊維専門商社(総合商社の繊維部門)からの発注です。 商社と最終消費者(エンドユーザー)との間には、生地商社、問屋、ブローカー、アパレル、小売り・・・など沢山の繊維業者が介在していて、川中にいる織屋は一体末端(小売り)で何が売れているのか、来年は何が売れ筋なのかサッパリ分かりませんでした。 それほど日本の繊維業界の流通が長すぎて、業者間の情報が分断化されていたのです。 「どれだけ努力しても、エンドユーザーに反映されない(報われない、値段が通らない)」という諦めがこの流通の長さに起因し、これが織物業を廃業する一因でしたし、この反省を元にエンドユーザー直のトランクルームに転業したのです。 未だにたまに織物時代の悪夢を見て魘されますので、反省と言うよりトラウマと言えるでしょう・・・(笑)。 まァ商社からの発注に対して、値段交渉もあまり出来ないまま言われるままに受注し、100%A反率を目指し、織機の稼働率95%を目指していただけです。 正に「器用貧乏」という言葉が弊社にピッタリでしたが、そんな唯我独尊的な自己満足で終わらせるようでは経営者失格です。 まァしかし商社からの委託生産(賃織り)でしたので、織物の原料である糸は商社から支給されていましたので仕入れがない分ラクでした。 26年前に亡くなった親父がよく言っていた「織屋は1m織ってナンボや!」で、それ以上でも以下でもなかったのです。 工場を稼働させるのに、メーカーや業者に頼る部分が多かったのが残念でした。 織機の部品はメーカー系列の販社からしか買えなかったので高止まりで、複雑な電気工事は繊維専門の電気工事業者に頼まなければなりませんでしたし、定期的なコンプレッサーのオーバーホールや空調のインバーターの故障なんかも専門業者に依頼し、縦糸の糊付けはサイジング業者に依頼していました。 特殊な糸と織物の管理ソフト(賃織り用)は自分でプログラミングは組めませんでしたので、70万円も支払ってプログラム専門業者に依頼しました。 とにかく市販品では間に合わないケースが多く、競争が少ない専門業者に頼むとコストアップするのが頭の痛いところです。 その点、今のトランクルームや音楽スタジオはエクセルや会計ソフトなど市販品で間に合う事が多く、非常に助かっています・・・(涙)。 更に銀行には借金があったので、とにかく自分ではどうする事もできない事が多すぎたのです・・・(汗)。 なので、これら業者と相互依存のような形で上手に商売を進めていきながら、年355日24時間エンドレス稼働させて月産20万mを20年間維持していったのです。 ところが48歳の時に「このまま過労を積み重ねていけば、60歳までに自分の身体が壊れてしまう!」と危機感を抱き、まだ余力のあるうちに翌年に廃業する事を決断したのです。 正に「命あっての物種」・・・ですから。 そういった大きなプレッシャーから解放され、銀行への借金も全て返済して身軽になりトランクルーム賃貸業に転身したのです。 無借金になった・・・というのが人生最大で最高の自分へのプレゼントです。 翌日からぐっすり寝れるようになりました・・・(笑)。 これでトランクルームに転業しても、心身とも織物時代に比べて10分の1くらいにプレッシャーが激減しました。 これが「何をやっても、織物時代に比べればたかが知れている」と思えるようになった理由です。 トランクルームオープン当初は集客ができなかったので、1年半ほど工員として他社の織物工場で機織りをしましたが、社長というプライドを捨てられたのも織物時代の苦労に比べれば「屁」みたいなモノでした。 そこで働きながら9か月間朝2時に起きて3時間宅建の受験勉強をしましたが、早くこの織物工場を辞めて不動産屋をトランクルームの事務所で開業するという具体的な目標があったからです・・・(汗)。 実質4時間半しか睡眠時間がありませんでしたが、頑張り通せたのでしょう。 という事で、織物時代は値段を自由に決める事も出来ず、年間2000万円も支払っていた電気代も電力自由化前だったので大幅なコストダウンは望めず・・・独自戦略を打ち出せる環境ではありませんでしたが、トランクルームに転業してから(その後スタジオ経営も)は料金を自由に決め、 電気代も同じ2棟の建物でありながら100分の1に下がって電気代で振り回される事も無くなり、運営に一切業者が介在していませんので無駄な手数料を払う事もなく、仕入れがないレンタル業で無借金経営なので、織物時代の「10分の1の気軽さ」と言えるのです。 まァ平たく言えば、日本の賃貸マンション経営やトランクルーム経営は地主が専門業者や不動産屋に頼るケースが殆んどですが、弊社の場合は土地と建物の所有者であるドラムが趣味で織物業で散々苦労した地主が宅建を取って不動産屋も兼業し、トランクルームと音楽スタジオを経営している・・・という業者が一切不要の(専門業者も兼ねた)、日本では非常に稀なケースなのかも知れません。 「トランクルーム貝塚」「スタジオ0724」「貝塚卓球センター」「テレワーク&スタディ貝塚」 「 貝塚不動産.com」 大阪府貝塚市名越661 tel:072-446-0798  mail: info@sasatani.com にほんブログ村  にほんブログ村 にほんブログ村  大阪府 ブログランキングへ

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