トランクルーム貝塚のオヤジ奮戦記

2023/10/19(木)05:01

17年前の廃業テクニック <後継者難で日本で廃業希望者が急増>

中小企業の生きる道(206)

東洋経済のネット版で、今日本の多くの中小企業経営者が「いつ、どのように廃業しようか」と悩んでいるようです。 「事業承継が最大の課題」とよく言われますが、行政が主催する事業承継の無料相談会では「廃業の相談が事業承継の相談の7倍ある」らしいです。 弊社は17年前に、祖父の代から57年続いた泉州の地場産業だった家業の織物業を廃業しました。 一切の不動産を処分せずに、借金を全額返済して・・・(汗)。 残ったお金で、トランクルームに転業できたのです。 その時ちょうど朝日新聞から取材があり、デカデカと掲載されました。 この一連何でもなさそうな事が、実は銀行に借金があれば大変難しいのです。 何故なら、事業転換となるとメインバンクや借金をしている銀行から一斉に「借金を返してくれ!」の大合唱があるからです。 そりゃそうです。 取引先が海の者とも山の者とも分からない新しい事業に進出するにあたって金を貸してくれなんて、銀行にとってリスクが大きすぎ、とても「がんばれ!」なんて言えないのです。 「一旦線を引いて(借金を全額返済して)、そこから頑張って下さい!」としか言えないのです。 実際私も長年取引のある銀行からそう言われましたから、経験者は語る・・・です。 正に銀行の融資スタンスは「晴れた日に傘を貸し、雨の降った日は傘を取りあげる」です。 一般的には工場などの不動産を売却して借金の返済に充てますが、不動産を売却できても借金の方が多ければ倒産です。 ビジネスは足し算と引き算というシンプルです。 逆に弊社のように借金が不動産より少なければ倒産は免れます。 それより以前に1番大事なことは、廃業しようかどうかなんて銀行に相談するのが1番バカげています。 廃業したらどうですか、なんて100%言いませんから。 「せめて私が転勤するまで2,3年待って」と支店長から言われるのがオチです。 一旦相談したら、銀行から「あそこは危ない」と警戒されて、次の融資が渋られます。 ココです・・・ポイントは。 ならばどうするか・・・? 私のように廃業するかどうか誰にも相談せずに自分で決断する事です。 これなら絶対情報が洩れません。 やはり情報漏洩・・・これが1番大事なのです。 廃業の決断から1年後に、銀行と商社と従業員に正式に廃業宣言をしましたが、同時に家族にも話をしましたが、その時のショックそうな家族の顔を今でも忘れませんが、廃業に失敗して明日自己破産なんて言うより遥かにマシでしょう。 家族にも黙っていた・・・廃業を成功に導くのに功を奏したのです。 まぁ平たく言えば、口の堅さが自分を救うのです。 廃業決断から実際の廃業まで1年ありましたので、その間に機械部品の在庫をボチボチ減らし、営業活動も必要最小限にして現場に弁当持参で張り付き、工場が完全に停止する1週間前まで24時間エンドレス稼働し、それから1台止まり、2台止まり・・・最終日に残った在庫は縦糸半反だけでした。 シーンと静まり返り、ガランとした工場を見ると、何とも言えない寂しい気持ちで涙が出そうでした。 祖父の代から57年も続けてきた家業に自分が終止符を打つ・・・というのは、こういう事かと(涙)。 悲しみに暮れるヒマもなく・・・ほぼ100%計画通りに廃業が進んだので、織機や付帯設備を中国に転売するために織物工場から搬出し、スムーズにトランクルームへの改修工事に取り掛かれたのです。 この1年間の廃業の苦労で2,3年は老けたと思いますが、希望のトランクルーム事業へ転業できたことで5年は若返ったか・・・(笑)。 いずれにしても、この一連の織物業の廃業の一件で零細企業や個人にとって「借金(住宅ローンも)はしたらダメ」だというのが身に沁み、織物業の廃業後は17年間ずっと無借金経営を貫き、今後も不安定な世界情勢(ロシア、中東、中国、北朝鮮)を考えると、尚更このスタイルを貫き通します。 という事で、未だに時々夢で魘される経営が非常に難しく厳しい織物業だったら娘に継げとはとても言えませんが、せっかく織物業より遥かに楽なトランクルームに転業しましたので、それを廃業するのは勿体ないので、3年前から後継者の娘に入ってもらって既に事業承継に手を打っています。 転業する時に織物時代の反省を元に、所有する2棟の織物工場を活かし、肉体的にも精神的にも楽で自分一人でも経営可能なエンドユーザー相手の事業を考えると、トランクルームに辿り着いたのです。 まぁ、とにかく早い目に手を打つ・・・これですポイントは。 そうすると余裕が生まれ、正しい判断ができますから。 もういつ私が引退しても何の問題もありません。 まぁ孫がもう少し大きくなるまで、私も100%頑張るつもりですが。 「トランクルーム貝塚」「スタジオ0724」「貝塚卓球センター」「テレワーク&スタディ貝塚」 「 貝塚不動産.com」 大阪府貝塚市名越661 tel:072-446-0798  mail: info@sasatani.com にほんブログ村  にほんブログ村 にほんブログ村  大阪府 ブログランキングへ

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る