DEERS ESSAY

2004/08/24(火)23:37

礼節を知らない中国サッカー

きょうサッカー・アジアカップで日本が中国を破って優勝した。この大会で光ったのは6試合で計13点を奪った攻撃力だ。かつての日本は相手にリードを奪われると意気消沈するところがあったが、準決勝のバーレーン戦といい決勝の中国戦といい、いい時間に得点できた。選手らの伸び伸びとしたプレーぶりから、今後また、中田英寿不必要論が出てくるかもしれないが、それはあやまりだ。この大会は所詮アジアが相手である。日本は92年以降、優勝、ベスト8、優勝、そして今回優勝と、王者に君臨してきた。本来、こてんぱんに叩かなくてはならない相手たちばかりで、相手がW杯クラスになれば、中田英寿の戦術眼や経験が必ず生きるはずだ。ところで、この大会、もうひとつ話題になったのは、中国の幼稚な応援ぶりであった。きょうの決勝戦でも、競技場外のあちこちでは、数百人の中国人たちが「インチキだ」「早く出てこい」などと叫び、不穏な雰囲気になったという。スタンドで身動きが取れなかった日本人応援団は中国側が用意した約20台のバスでようやく逃げることができた。日本選手らを乗せたバスも群衆に囲まれ、ペットボトルを投げつけられるなどしたため、いったんは競技場に引き返した。業を煮やした石原慎太郎都知事が「民度が低いからしょうがない」と言ったというが、中国政府も反論しようがないだろう。残念なのは中国政府の二枚舌だ。共産党幹部らは、08年の北京五輪を心配してか、日本側に「心を痛めている」「しかるべく対応する」と善処を約束したのにそのことはまったく報道せず、「日本の一部メディアが少数のファンの行為を誇張し、政治と結びつけていることを我々は遺憾に思っている」と自らの責任を棚上げした談話を発表した。あきれるほかない。サッカーというスポーツは、国の威信をかけて争われる。かつて、94年の米国W杯で、オウンゴールをしたコロンビア代表選手が暴漢に射殺される事件があった。文字通り「自殺点」となったため、この呼称が見直される契機にもなった。カメルーンでは、チーム運営への不満から出場を拒否したGKが自宅を焼かれた事件があった。中国はさきの日韓W杯に初出場してサッカー人気が高まったものの、スポーツマンシップは十分熟していないようで、こうした国の二の舞になりかねない。このような状態が改善できないのなら、残念ながら、少林サッカーでもやって遊んでいてくれ、というほかない。蓮4044 

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