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June 23, 2005

なぜＦＷ鈴木を使ったか

(2)

テーマ：ジーコ日本代表(421)

カテゴリ：カテゴリ未分類

ドイツで開かれているコンフェデ杯で日本代表はブラジルと２－２で引き分け、得失点差で準決勝進出を惜しくも逃した。日本時間で午前３時半キックオフという日本の視聴者にとって最悪の時間帯だったが、寝不足と引き替えにしても、十分堪能できた試合だった。俊輔が目が覚めるような素晴らしいロングシュートを決め、終了間際には大黒が同点ゴールをボレーで決めた。サッカーファンはきっと試合後も興奮が冷めず、朝まで寝付けなかった人が多いだろう。コンフェデ杯は、選手たちにとってＷ杯の前祝いの大会だが、ファンにとっても寝不足の予行演習みたいなものだった。

３年前の日韓Ｗ杯では、私は神戸ウイングスタジアムで開催された３試合を観戦した。最も印象に残っているのは、きょう日本が対戦したブラジルだ。決勝トーナメント１回戦でベルギーと対戦し２－１で破った。リバウドが後半２２分、胸で止めて反転して強烈なボレーシュートを決め、終了間際の４２分には、ロナウドがゴール前まで爆発的に走り込み、クロスに合わせて４試合連続ゴールを決めた。ベルギー側のゴール裏で見ていた私は、ロナウドがゴール前に突進してくるときに受けた風まで今でもよく覚えている。当時、このリバウド、ロナウドを合わせて「３Ｒ」と呼ばれた一人がロナウジーニョである。そのロナウジーニョが、この日の日本戦でも変わらぬテクニックで大活躍し、日本のＤＦ陣を苦しめた。前半１０分、自分の背後を右から左へ回り込んだロビーニョにうまくパスを出して先制点をアシストし、前半３２分には、右からのクロスを三都主より一歩前に出て勝ち越しゴールを決めた。

日本は前後半合わせ、ボール支配率では４－６ぐらいではかったか。それでも、以前の日本代表と違って決して名前負けすることはなかった。２度先行されながら、２度追いついたのはその証拠だ。試合開始早々、小笠原の好パスから加地がＤＦの裏を抜け出してゴールネットを揺らした。審判がオフサイドのジャッジをしたが、加地の積極性がチームを奮い立たせたのは間違いない。さらに、先制されてリズムを失いかけたところでヒデが遠目からロングシュートを試みた場面があった。点を取るぞという姿勢をはっきりさせた。日本の同点ゴールが生まれたのはその直後だ。前半２７分、ヒデ、福西とつなぎ、そのボールを受けた俊輔が振り向きざま、約３０メートルの強烈なロングシュートを決めた。あの華奢な体がブラジルファンの肝を冷やした。守っては川口が好セーブを連発し何度も窮地を救った。後半、エドゥのシュートを顔面で受けたシーンは、アトランタ五輪の「マイアミの奇跡」を彷彿とさせた。

選手たちが頑張っただけに、ジーコ監督の采配の稚拙さが逆に目立った。ＭＦ小笠原が不調だったから前半で退いたのは仕方がない。ただ、代わりにボランチの位置に入った中田浩二が、相手選手との接触を避ける場面が何度かあったのは残念だ。交代選手がこれだと志気が下がる。さらに、２点取らないと準決勝に進めないのに、なぜ３人目の交代枠に鈴木を使ったのか。鈴木は試合の流れを変えられる選手ではないだろう。ジーコ監督は、ゴール前で体を張ってＦＫを取るのを狙ったのだろうか。鈴木がボールに絡んだのは、皮肉な話だが、審判が笛を吹いたのが聞こえず、相手ＤＦと場違いなもみ合いを演じたシーンだけだ。鈴木が投入されると聞いたフジテレビのアナウンサーが「す・ず・き、ですか」と絶句していたのが印象的だ。こういう場面は、本山や大久保みたいな選手こそ生きる。試合終了間際、俊輔のＦＫが右ポストに当たったとき、すぐ反応したのは大黒と福西、宮本の３人だ。同じ交代出場の大黒の運動量とプレーが素晴らしかっただけに、鈴木の不出来が目立った試合だった。
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蓮4044　

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最終更新日 July 16, 2005 01:26:17 AM
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