カテゴリ:「異次元ホームズ探偵団」
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![]() ◆ <第三話> ◆ 「シンデレラ・コースト事件(3)」 学生時代 和都孫は実家に帰ると、茜が買い物に出かけたのを良い事に、 この間大学の頃の卒業写真集を引っ張り出して懐かしんでいた時に ふと思い出した同窓生だった 赤沢クリスのことを、されいげなく母に尋ねてみたのだった。 「ところでお袋さ~、クリスちゃんまだ独身? きっと益々すっげ~美人になってんだろうな~。 最近どうしてるか知ってる?」 赤沢家は、この田舎では結構の名家であったのだが、 大正から昭和に変わる時代までは羽振りが良かったのだが、 その後は商売が上手くいかず次第に没落してしまい、 和都孫の子供の頃には本家のクリスの実家以外の クリスの親の兄弟たちの家は、殆ど東京あたりに出て行ったらしいが、 流石に旧家のクリスの実家だけは辛うじてか体面を保っていた。 クリスの母親は米国人で、父親が米国留学中に恋愛をして、 その当時の祖父の猛反対があったにも関わらず、 大した母親で名門マサチューセッツのハワード大学博士課程を トップで卒業した秀才だったそうで、 この祖父に会うために完璧なまでに日本語をマスターして来日し、 伝統格式ばっていた祖父に米国の自宅への招待を促し、 自分の息子が米国にどんなにお世話になったかを説いて見せたそうである。 さすがに、頑固親父にしても正攻法で知恵を使った上品なその女性博士の 努力には完敗だった訳で、帰国後は全くの信頼感で結ばれた親子は 地元でも有名は一家として再び一目置かれたものであった。 そんな感じなので、和都孫も子供の頃は気後れして 殆ど寄り付く家庭ではなく、 縁遠い一家の一つであったのだが大学へ進学したあとから状況が一変する。 この赤沢クリスが何と、1年限定で自費留学した米国ハワード大学の 英国歴史学の隣の研究室に在籍していたのだ。 彼女は直接このハワード大学を受験し一発合格の栄誉ある秀才女学生であったが、 和都孫はバックのない勝手自費留学生であり、身分からはやはり完全 別世界の住人であったが、なにせ日本国籍の学生が多くないハワード大学 学園内ではお互いに見知らぬ訳には行かない。それどころか、 同じ郷里であることは、ほとんど家族に近い付き合いと面倒見を 周囲から強いられていたとも言えた。 実際のところ、白人と日本人の混血が多く美形が多いのに違わず、 その時すでに眩しいほどに美しさがあったが、それが一層和都孫には 重い気分にさせられる原因でもあった。 なぜなら、周囲の男子学生は言うに及ばず、 女子学生からの絶大な興味の対象であったために、 無視も逆に恋愛もともに観衆の監視の世界にあるようなものだったからだ。 クリスはその後、未来学者となり米国で活躍しているらしいが、 1年で帰国した和都孫にはごく普通の貧乏会社の経営が今日の生業となっていた。 <映画「ジュラシックパーク 1~3」から名場面> ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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