★ひらべっちゃ

2008/05/26(月)00:26

緩和ケアとは -1-

ヒーラーへの一歩(2)

5月24日(土)新宿文化センターで行われた ソフィアフィットセラピーカレッジの第一回フォーラムに参加しました。 テーマは『心、身体、そして、スピリチュアルな癒しをめざして』 (講演者:池田明子 黒丸尊治 林真一郎 江原啓之) 今、私が一番知りたかった内容の講演でした。 この国のホスピスと言われる緩和ケアを行う病院または院内施設は 私の知ってる限り、不足しているだけでなく十分な内容とは言い難く 同じ患者でありながら、緩和ケアを受けられる人と受けられない人。 患者の心を優先した治療とむやみに痛みだけを抑える治療。 そんな疑問の中、フォーラムでの黒丸先生の講演は 私にとって、探していた答えが見つかった、そんな内容でした。 この国の現状を踏まえ、まずは私たち患者側の意識を変えていくことが 先決ではないかと思われます。 下記の内容を見ても分かるように緩和ケアを行う側(a)と、一般的な患者さん(b)の とらえ方の違いにかなりの温度差を感じます。 緩和ケア(ホスピス)を正しく理解し、信頼できる病院(ホスピス、緩和ケア施設)をみつけ 早めに行動することが必要だと思いました。 (a) 1)苦痛なく過ごせるようになる 2)身体的ケアと心のケア 3)最後までの時間を良い状態で過ごす (b) 1)あそこに行ったらおしまい 2)治療をあきらめると絶望 3)ただ、死ぬのを待つだけ 今回の内容を黒丸先生の~緩和ケアの現場より報告~から抜粋し まとめたものを今後連続して、記録していきたいと思います。 ☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★ 【黒丸尊治】彦根市立病院緩和ケア科部長 「現在の緩和ケアは、終末期のがん患者さんだけを対象とするのではなく がんと診断されてから終末期に至るすべての患者さんが対象であり 患者さんの苦痛症状を積極的に対処していくというのが緩和ケアの基本姿勢です。 痛みや呼吸困難といった身体症状はもちろん、がんに対する不安や恐れ 落ち込みといった精神的、心理的苦痛に対しても積極的に対処していくことも 緩和ケアの大切な仕事のひとつです。」 終末期のがん患者さんが死に対する不安や恐怖を持っている事は 理解できると思いますが、実はがんの治療が一段落つき、 現在は状態が落ち着いていると言う人であったとしても、 がんになったことによる家庭や職場環境の雰囲気の違いからくる ストレスや再発への不安といった多くの問題を抱えています。 そこで私は現在、「がんストレス外来」を開設し、 がん患者さんの精神的なサポートもしています。 このような関わりも今後の緩和ケアではますます重要になってくると思います。 また、緩和病棟に入院してくる患者さんのほとんどは、自分は治療困難であるということは頭では十分理解しています。 にもかかわらずやはりまだ生き続けたい、何とかならないのだろうかという思いを持っている人も実は少なくないのです。 頭で分かっているということと、心で思うこととはまったく別のことなのです。 このような場合、どのような関わりをしていったらよいか。 施設によっても異なるとは思いますが私の場合は出来るだけ患者さんの意向に添うような関わりをする事にしています。 終末期の患者さんであったとしても治療的なことをして欲しいという希望をもっているなら可能な限りそのようなことをするということです。 もちろん、この状況で手術や抗がん剤の治療をすることは困難です。ではどうするのか。 それは代替医療を利用するのです。代替医療にはその患者さんの自己治癒力を刺激しそれを高めることでがんの進行をあるていど抑えられる可能性があると考えられます。 本当にがんの進行を抑えるか否かについては、科学的根拠がないので何とも言えません。 しかし私はその結果よりも、患者さんの思いに出来るだけ寄り添った関わりをしていくという、医療者の姿勢の方が重要だと考えています。 緩和ケア病棟では、患者さんの精神的苦痛に対しても積極的に対処していくという 理念を持っているにもかかわらず、治療を続けたいという思いを持った患者さんにたいしては その思いには答えてくれないのが一般的です。 もっとも治療的なかかわりをしないというのが緩和ケア病棟の大原則ですから それは決して間違っているとは言えないのです。 だからこそ、そこに現在の緩和ケアの何か矛盾を感ぜずにはいられないのです。 ☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★=☆=★

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