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イタリアでモロッコごはん

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Delizia

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2005/04/17
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こんなに苦しい夜が今まであったでしょうか。
こんな幸せと驚きと悔しさを同時に味わうことがあったでしょうか。





あぁ...。


また食べて食べて、食べてしまいました。




久しぶりにフィレンツェにいらした友人Aちゃんと
以前研修でお世話になったリストランテに行ってきました。


研修後何度か遊びに行って、みんなとお喋りはしていたのですが
お食事に行ったのは今回が初めてでワクワク。


ここのリストランテの入口には、
赤いキャンドルがロウをしたたらせながら
メラメラとメニューを照らしています。

以前は、このキャンドルを見ると
威嚇されてるようで(高級そうで)怖くて入れなかったのですが
通いなれた今は平気でアンティークの木の扉を開けられるようになりました。


懐かしいカメリエーレ(サービスの人)達に迎えられ
お喋りしやすいように、カメリエーレの溜まり場に一番近い席に案内されました。


さて、友人Aちゃんとメニューを見ると...
どうやら春のメニューになっているようですよぉ。
私が研修中に作っていた冬メニューとは違うものが食べられそう。


メニューを読み終わるまでもなく
厨房のお馴染み「花嫁募集中P氏」から
「デグスタッツィオーネ(各種お料理ツマミ食いコース)でオレに任せろ」
との伝言を受けて、じゃぁそうしようということに。

お肉系とお魚系と聞かれて、お肉が食べたいと伝えました。


何が出てくるのかなぁ。ワクワクしちゃうね~、と
まだこれから何が起こるのか解っていない私達ふたり。



まずは一皿目、アンティパストから。
★ペコリーノ・ディ・フォッサのチーズケーキ、赤玉葱ジャム添え

洋梨のキャンティ赤ワインコンポートが飾られ、
お皿全体にはプルーンのソースで美しい線が描かれています。


おぉ~、これはメニュー見た瞬間食べたいと思っていたのよぉ。
出てきて良かったねぇ。


ひと口いただくと、フワ~っと香るペコリーノ・ディ・フォッサ!!
(この羊乳製チーズはマンホールのような穴の中で3ヶ月間熟成されます。
 毎年11月25日に掘り起こされる香りたかい高級チーズです。)

チーズケーキとは言っても塩味です。
口の中での溶け具合が軽すぎず、重すぎず絶妙...。
もちろん添えてある赤玉葱ジャムとも洋梨のコンポートとのコンビも最高でワインも進みます。

お皿のプルーンのソースをパンでスカルペッタしていたら、カメリエーレから
「パンなんか食べていたら最後まで食べられなくなっちゃうよ~!」
と忠告されながらお皿をさげられてしまいます...。


そして二皿目、アンティパスト。
★鳩のテリーヌ

柔らかな緑のサラダの上にバターがコロリンと添えられ、そこに横たわる鳩のテリーヌ。
この一切れになるまでにかかる手間を考えると頭が下がります。

コッテリと滑らかな舌触りでオトナの味。
口の中の余韻はワインと共に楽しみましょう。


しかし、デグスタッツィオーネって言っていたのに
ポーションデカいよね!などとブツブツ。



三皿目、プリモ。
★リコッタとアスパラガスのクレスペッレ

クレープのような生パスタでリコッタのフィリングがクルリと巻かれ
それをオーブン焼きにしたものがアスパラのピュレの上にのっています。

お皿にはバルバビエトラという赤カブ(ビート)のピュレも点々と添えられ
アスパラの鮮やかな緑とバルバビエトラの紫がかった赤が対照的でキレイ。

リコッタのフィリングの中にもアスパラが入っていて
その歯ごたえを残す茹で加減が絶妙で、
かみ締めるごとに春を感じさせてくれます。



しっかし、もうお腹一杯だよね。

「これってまだ出てくるの?」と心配そうなAちゃん。

「まだプリモだしね。たぶんセコンド出てくるよ。」とDelizia。



四皿目、プリモ。 え?プリモ2品目?
★サフラン風味のパッパルデッレ・鴨肉のラグーソース

パッパルデッレとは、きし麺の2倍くらいの太さのパスタ。
パスタの生地にサフランが混ぜ込んであり、濃い黄色をしています。
何故こんなに太いかというと、ソースとよく絡むように...。

またこのじっくりゆっくり時間をかけて煮込んだラグーが、うみゃい!


しかし、ここでAちゃん、ギブアップか!?
ひと口手を付けてフォークを置いてしまいました。

「もう、ムリだわぁ。」とAちゃん。

さすがのDeliziaもお皿を半ばに本当に苦しくなってきました。


あぁ、人間の胃とは、なんて小さく出来ているのでしょう。
大食い選手権に出る人達は、私達の2倍は食べられるのでしょうねぇ、うらやましい。


と同時に、キッチンのみんなのサービス精神にココロ打たれるDelizia。
ヒョッコリ予約もせずやってきた私達に、手間暇かけたお料理を
惜しげもなく出してくれるこの心意気!

涙が出そうなくらい嬉しい、でも苦しい...。



苦しさと悔しさ(←底なしの胃が欲しい)で、下唇を噛み
テーブルにしがみ付くDelizia。


すると脇にたむろっているカメリエーレ達からエールが送られてきました。
「がんばって食べなよぉ。
 お友達はダメでも、イタリアナイズされたアナタの胃なら大丈夫でしょ!」


...溜め息。


しばしの休憩後、プリモ担当P氏の顔を思い浮かべて奮い立たせ、なんとか完食。




容赦なく五皿目、セコンド。

★チンタセネーゼのソテー・スカローニョのソース

チンタセネーゼとは、かつて絶滅に瀕していた胸の部分だけが帯状に白い黒豚に似た在来種の豚。直訳すると「シエナの白帯豚」。
スカローニョはフランス語ではエシャロット。
スカローニョをバルサミコ酢でじっくりと煮込んだ、旨みたっぷりのソース。

チンタセネーゼは、あっさりと上品で驚くほどやわらかいお肉。
それにラルド・ディ・コロンナータを巻いてソテーしてあります。

ラルドとは日本語ではラード。お料理に使ったり、おつまみでそのまま食べたりします。
数あるラルドの中でもコロンナータ産のラルドは
大理石の槽の中にスパイスやハーブと共に敷き詰められて出来上がる最高級品。



あぁ、一番食べたかったお皿にやっとたどり着いたのに
満腹でもがき苦しむ私達ふたり。

全身の血は胃に集まり、思考回路も止まったまま。

久しぶりに会ったのでお話したいことも山ほどあったハズなのに
押し黙ったままのふたり。



「食べたい、食べたいんだけどね。本当にお腹一杯。」とAちゃん。

「でも、もったいないから出来たてひとくち食べておいたら?
 あとはお持ち帰りにしてもらおうよ。」

と、まばゆい程魅力的なお皿に決死の思いで挑むふたり。

信じられない程やわらかいチンタセネーゼは
ラルドにつつまれて口の中でジューシーにトロけていきます。
トロリとしたスカローニョソースの甘みと酸味がお肉にピッタリ。


あぁ、こんなに満腹でなかったら
100倍美味しく感じられたでしょうに!


Aちゃん、完全にギブアップです。
お持ち帰りの道まっしぐら。宙を見ております。


ここでセコンド担当A氏の顔を思い浮かべるDelizia。
いつも心をこめて肉を焼くあの凛々しい姿...。


罪だわ!残すなんて罪だわ!


もはや腹十分目なんてとうに過ぎてはおりましたが
根性で食べきったDeliziaでした。


もうまっすぐの姿勢で座ってられません。
ヘタヘタとテーブルにはいつくばるDelizia。




脇のほうから
「お、がんばったじゃん!もちろんドルチェいくでしょ!」
とカメリエーレ達。



青い顔に縦線入っている私達ふたり。



「ドルチェ、美味しいよぉ~。まさか食べないなんて言わないよね!
 クレーマでいい?あと、カフェね?」



もうどうでもいいです。


なんでも好きなもの持ってきてください。


ここまできて申し訳なくていらないなんて言えません。




ジャーン、六皿目、ドルチェ。
★クレームブリュレ

沈黙し続けるふたり。



研修中は、バーナーで焼かれてキャラメリゼされるソースが
なんとも美味しそうでヨダレを垂らしながら眺めていたDeliziaですが。

限界が近づいています。




Aちゃんはスプーンを持ちました。
バリッとカラメルを割り、クリームを口に運ぶと...

「美味しい...。」と言った後、ほぼ息絶えたご様子でした。



私もバリバリッとカラメルを叩き割り
濃厚な甘さのクリームを朦朧としなから口に運び続け
最後にカフェを流し込んで目を閉じました。




そしてヨロヨロとキッチンまで行き
全ての皿への賛辞を述べ、ありがとう、アナタ達サイコー!!
とコックのみんなに心からお礼を言って
カメリエーレ達みんなにキスしてリストランテを後にしました。




帰路も苦しむ私達。



作ってくれたコックを思い浮かべると残せなかったDeliziaは
彼らの愛情に胸いっぱいになりながら
ハチキレそうなお腹を抱えて眠れぬ夜を過ごしたのでした。

























 




















Last updated  2005/04/17 09:34:33 AM
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 Delizia@ Re[1]:モロッコの掟~産後編~(07/25) くんみさん はじめまして。ご訪問あり…
 くんみ@ Re:モロッコの掟~産後編~(07/25) レモンの塩漬けのレシピを探していた通り…
 Delizia@ Re:おひさしぶりです(07/18) bunさん >しばらく覗いてない間に、お二…
 bun@ おひさしぶりです しばらく覗いてない間に、お二人目を産ま…
 Delizia@ Re[1]:私の大好物。(07/18) 夏の大空さん >だんなさまの作で暮れる…

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