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イタリアでモロッコごはん

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2008/04/17
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テーマ:海外生活(7387)
カテゴリ:フィレンツェ大学
イタリア人に授業をしてくれないか?
という依頼を受けたのが半年前。


聞いたとたんに硬直して
できるかどうかもわからないことに
即答してよいものか?と黙ってしまった。


でもすぐに「ムリ。」と答えたくもなかった。
なぜなら、まさに、私が将来いつの日か
やってみたいと思っていたことだったから...。


依頼された時は
自分のあまりの喋りの能力不足に
聞いている学生をガッカリさせてしまうのでは?
と不安の渦にグルグルと巻き込まれていたのだけれど....

授業が半年後だというので
本当に出来なそうなら途中でお断りすればいいと
とりあえず引き受けてみた。




「多民族の食生活」という授業を受け持っている教授が
私に日本の食生活の歴史や
現代の食生活について1日だけ講義してほしいとのこと。


半年あればボチボチ準備もできるかと思っていたけれど
テストや、同時進行で出される宿題の山で
結局いつものようにギリギリで大慌てで準備するハメに。



ビデオプロジェクターで投影するスライドを用意するだけで
週末の20時間を費やした。


まだまだ書きたいことは沢山あったのだけれど
先日の「スパルタプレゼン」の学会の用意と重なって
毎日夜更かししていたら学会直前に熱で3日も寝込んでしまい...。


スライド作成はほどほどにして
話の内容を充実させるための資料集めにあけくれた。


準備中も、本当に授業なんてできるのか?
と、かなり不安だったのだけれど
なにせ時間がないので、余計なことは考えないことに。



そして学会を終えたことで
肩の荷が下りてホッとした後に
私が授業を担当する日がやってきた。




「経験」とは不思議なもので
学会という、見ず知らずの聴衆が待ち構えている
恐ろしい壁を乗り越えた後の私は
驚くほど「不安」と無縁のところにいた。


今回の聴衆は同じ学科の仲間達。
気心知れた仲間に向かって話すのなら
緊張する必要もない。



みんなを飽きさせないように注意を引きつけておくには?
とそれだけを考えて前日の夜中まで用意を続けた。



授業の日。


パソコンを持ち込んで
限られた準備時間でスクリーン投影の用意。


できればワイヤレスでネットにも繋いで
リアルタイムである映像を見せたかったのだけれど
日によって電波発信が気まぐれなこの教室は
この日は接続不可能だった...。残念。



この日の私の授業内容は

古代日本では何を食していたか?
なぜ昔の日本人は短足だったのか?
日本人と欧米人の体質の違い。

味噌・麹・糠漬けについて。
昆布とかつお、ダシの取り方、
旨味の相乗効果、味噌汁について。

偉大なる中国からの食文化の伝来。
仏教の伝来と精進料理。

茶の湯の文化。
豆腐とは?豆腐の作り方。
日本で食される麺類。

戦後のアメリカからの食品輸入。
食生活の変遷。



この辺まで喋ったら1時間ほど経っていた。

初めて聞く日本の食生活の話に
教授は猛烈にノートにメモを取っていた。

彼女はだんだん興奮してきて
私の拙い言葉での授業に解説を加えるとともに
しまいには猛烈に彼女が喋りだしたので、私の講義は中断。

他にも用意していた「寿司」の話題に触れるのを忘れたまま
授業は終了となった。



スライドは写真をふんだんに取り入れて
目で見て納得してもらえるように作った。


同じ学科の生徒への講義なので
一つの食材について語る時には
食品化学の視点からも掘り下げた。



緊張はなかったものの
みんなに解かってもらうために頭を使って話すこと
目の前の学生の反応がダイレクトなこと
「ライブ」ってこんなカンジかな~?なんて思いながら
終わった後はドッと疲れた。



今回「話し」の資料は全て日本語で用意していて
それを手元にイタリア語で話していたので
なかなか話が前に進まなかった。


本当は学会の時のように原稿がバッチリ用意できていれば
もっと他のことに気を使えたのだけれど...。
家で翻訳する時間はなかったのだ。



いくら私の「喋り」が下手でも
内容が珍しかったので、みんな興味を持ってくれたみたいで
教授は、
「この”生きた”話しは、本を読み漁って得る知識の何倍も価値があるわ」
と、予想以上の反応っぷりで絶賛してくれた。



ホッ。



少しでも満足いただけたのなら
準備に時間を費やした甲斐があった...。



今までいつもインプットばかりだったので
こうやってアウトプットしてみると気持ちが良い。



イタリアにいる日本人が現地人に伝えるべきこと
それは祖国の文化を正しく理解してもらうことでは??

ここで私の専門分野「食」について語らせてもらえたことは
自分の使命を果たしているようで、非常に感慨深かった。




講義をしてみて
いつも何気なく聞いている教授陣の講義の上手さは
どこにあるのかが解かった気がする。


時間いっぱいまで飽きさせない面白い授業は
疑問を投げかけて、学生に考えさせる間を与えたり
効果的なスライドでイメージを残したり
数々の「惹きつけ」テクニックが散りばめられているのだ。



この面白い経験を将来に生かせるよう
3年生の残り少ない授業から「プロの講義」テクニックを
今までとは違う視点で学んでみようと思う。

















































Last updated  2008/04/18 09:01:47 PM
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 くんみ@ Re:モロッコの掟~産後編~(07/25) レモンの塩漬けのレシピを探していた通り…
 Delizia@ Re:おひさしぶりです(07/18) bunさん >しばらく覗いてない間に、お二…
 bun@ おひさしぶりです しばらく覗いてない間に、お二人目を産ま…
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