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イタリアでモロッコごはん

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Delizia

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2009/04/15
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テーマ:海外生活(7771)
カテゴリ:フィレンツェ大学
普段、驚くべき速さで寝入ってしまう私が
翌日の試験のために1時に床についたのに3時まで寝付けない...。


眠い目をこすりながら起き上って
集合時刻に集まると、もうみんな来ていて
重要ポイントを確認しあっている。



みんな「こんなに悲しいパスクア(復活祭)は無かったわ」
と嘆く程、週末も家にいて勉強しつづけて
ほとほとお疲れ気味。



夫が月、火曜日と運良くお休みだったので
ビンバを一日中外に連れ出してもらって
図書館が開いていなくても家で勉強できた。



試験当日、学生みんなが
「Delizia、よろしく頼むよ。」

「あなたの幸運を私達に分けてよ。」

と願掛けにやってくる。

この国家試験の問題は封筒に何種類か用意されていて
その中からくじ引きの様にひとつ選んだお題が
みんなに配られるのだ。

そのくじ引きの役を私が引き受けることになっていたのだ。



続々と学部長やら医者のお偉いさん、栄養士が集まって
ローマのMinistero della salute(保健省)からも一人
お偉いさんが到着した。



幹部職員がその場で数ある問題の中から数個に絞っている。


私達学生は身分証明書を提出しながら登録が始まった。

解答用紙と提出用の大封筒が配られる。

別の小さな封筒に記名する紙が入っていて
そこに記名して糊で封し、大封筒に入れる。

解答用紙には記名しないで提出するので
添削者にはすぐには回答者の名前がわからない仕組みになっている。




さて、すべての準備が整って
私が前に呼ばれ、3つの封筒の中からひとつ選ぶよう促される。

封筒には1、2、3と番号がそれぞれ振ってあったけれど
裏返してもらって、自然な勘から選ばせてもらう。


私が引いた封筒は2番の封筒だったらしい。

1番には、高脂血症、高血圧、憩室炎、
憩室症の主な症状の説明と患者への食事療法、アドバイス

3番には、腎不全患者の一例から、患者の現病状把握、
目標とする食事療法、栄養計算、食事に関するアドバイス、今後の診察予定について


そして私が引いた2番の封筒には...
セリアック病と初めて診断された26歳女性への
目標とする食事療法、食べて良い食品、注意が必要な食品、
グルテンが含まれている食べてはいけない食品のリスト作り、
日常の食生活において注意しなければならないポイント
のアドバイスをするという問題が入っていた。


これを2時間以内に書き終えなければならないので
栄養計算が含まれる問題だとパニックに陥った時に
取り返しがつかない状況になる恐れがあるので
腎不全の問題を引かなかった私の選択に、みんな胸を撫でおろしていた。



しかし、セリアック病の問題は史上初の選択で
いつも腎不全、肝硬変、糖尿病、消化器系疾患、
外科手術後の食事療法、メタボ系の勉強に力を入れてきた
私達には慣れないところがあった。



今まで頭に叩き込んできた血液検査結果の数値や
症状別にみんなで考案してきた主食バリエーションの数々、
症状別食品交換のリスト、ボロボロになるまで使いきった食品成分表、
みんな予備に2つ3つ持ってきた計算機など
今日の問題には何も必要ない。



自分の頭の中にある知識をただ書き出せば良いという
シンプルでラッキーな試験だった。


ただし、食品のリストは優に200以上の食品を
カテゴリー別に書き出さなければならず
とにかく時間との戦いとなった。



私はというと、出足からハイペースで進められず
中盤からは恐ろしく汚い字になりながらスピードをあげていったけれど
日常食生活におけるアドバイス内容で、まだまだ書きたいことはあったのに
時間切れでやむなく完全燃焼とまではいかないうちに終了...。



封筒に封をして提出して
みんなホトホト疲れて外に出た。

セリアック病を選んだ私はみんなから
「よくやった」とパンパン叩かれる。

アドバイス系の問題は、
致命的な過ちを犯して落第という危険性が
最小限なので、私にとっても本当に良かった。
書き終わらなかったのが残念ではあったけれど...。



すぐに採点は始まり1時間半後....

採点者は満面の笑みで私達を呼びに来て
嬉しいことに全員合格★とのことだった。
うち2人に30点満点がついたとのこと。
やった~!!!



これでみんな来週の卒論のプレゼンに揃って参加できる。


私はこの試験に通るかどうかわからなかったので
これからパワーポイントでスライドを作り
1人あたり10分程のプレゼンの練習をしなければならない。



本日満点を取って
もうスライドが完成しているR君は
週末海へ行くそうだ。いいな~。



まず私は完璧な協力体制で私を支えてくれた
夫と義姉に嬉しい報告をするとともにお礼を言った。



夫は私に内緒で前日からアッラーの神に友人も巻き込んで
お祈りしてくれていたそうで、皆様にもお礼を言う。



卒論提出目前のお先真っ暗の私を
精神的にも、ビンバのお世話係としても支えてくれた
先週日本に帰国してしまった妹にも報告。

彼女がいなかったら、卒業なんて口にもできなかった。



まさか試験に通るとは思っていなかったであろう
日本の両親も喜んでくれた。



私の卒論の最初のページには
感謝の気持ちを込めて
「Alla mia famiglia」「私の家族へ」捧げている。

ビンバの無邪気な笑顔に癒されたり
温かい家族の協力があって
不可能かと思われたことが可能となって今がある。























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Last updated  2009/04/16 01:52:56 AM
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Comments

 Delizia@ Re[1]:モロッコの掟~産後編~(07/25) くんみさん はじめまして。ご訪問あり…
 くんみ@ Re:モロッコの掟~産後編~(07/25) レモンの塩漬けのレシピを探していた通り…
 Delizia@ Re:おひさしぶりです(07/18) bunさん >しばらく覗いてない間に、お二…
 bun@ おひさしぶりです しばらく覗いてない間に、お二人目を産ま…
 Delizia@ Re[1]:私の大好物。(07/18) 夏の大空さん >だんなさまの作で暮れる…

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