中国の戦略
中国海軍は、海軍司令員であった劉華清が提唱した「3段階の発展」の指示に従って能力構築を進めている。第1段階は、第一列島線(九州から南西諸島、台湾、フィリピン、ボルネオ島に至るライン)内外まで活動範囲を広げることであった。第2段階の目標は、空母打撃群を世界の海に展開して軍事プレゼンスを示すことであり、第3段階の目標は、米国の海軍力を凌駕することである。今年3月、ニカラグア政府は、運河の本体工事が17年にも始まることを明らかにした。22年までの完成を目指す。また、ブラジルとペルーを結ぶ南米大陸横断鉄道の建設について、15年5月から、ブラジルとペルーの両国政府と検討を始めている。日本では、東シナ海や南シナ海における中国の活動ばかりが注目されるが、中国は、世界の海上輸送の流れを根底から変えようとしている。さて、アメリカは自国の裏庭までの中国の覇権を許容しないとなれば、何が起きるか想像出来ますか?中国の世界規模での活動を注視しなければ、中国が何をしようとしているのかを理解できない。今、アメリカが東シナ海で中国の動きを阻止できなければ、日本も巻き添えになるだろう。何故なら現在、中国艦艇や航空機に対処しているのは海自のみである。