でんきやかん

2013/01/18(金)22:26

人命軽視の人質救出作戦

守るべきは人命よりガスプラント。アルジェリアにとって、天然ガス関連施設が攻撃されると経済への打撃が大きい。国益がかかっている場所である。 英国政府は18日、「テロ事件」はいまだ収束していないと発表。アルジェリア当局筋も、奪還したのは施設内の住居地区だけで、プラントは武装勢力が占拠したままだと認めている。アルジェリア治安関係筋はAFPの取材に、イナメナスのガス関連施設で武装勢力18人を殺害したが、施設内には武装勢力の「一団が立てこもっている」と語った。 プラント建設を請け負う日揮は、日本人社員3人とフィリピン人1人の無事を確認したが、日本人14人を含む74人の安否が不明だと発表した。 現地からの報道によると救出された600人近い人質の大半はアルジェリア人作業員で、41人いるとされる外国人の人質は数人だけだという。 先に1人の死亡が確認された英国人は、2人が解放されたと報じられたが、約20人の安否が未確認だ。ノルウェーの石油会社スタトイルは、ノルウェー人9人が救出されたが8人が不明と発表。フランス人は2人が救出されたが、他に2人の行方が分からなくなっている。 関係各国からは、作戦についてアルジェリア政府から事前通告がなかったことに批判が集中している。米国政府は、人質の安全確保を最優先とするようアルジェリア政府に強く要請。日本政府は作戦実施に遺憾の意を表明する一方、鈴木俊一外務副大臣が18日、駐日アルジェリア大使を外務省に呼んで説明を求めた。 武装勢力が人質を移動させようと車に乗せていたときに車両に向けてアルジェリア軍が攻撃した。5台の車のうち4台が爆撃された。アルジェリア治安当局筋がロイターに語ったところによると、これとは別に人質30人が死亡。日本人2人を含む少なくとも7人が外国人で、英国人2人、フランス人1人も含まれている。アルジェリア人の人質は8人が死亡した。武装勢力側の死者は少なくとも11人だという。 武装勢力側は軍の攻撃で拘束していた人質のうち34人が死亡したと主張しているが、確認は取れていない。隣国モーリタニアのヌアクショット通信(ANI)によれば、武装勢力側は「アルジェリア軍が施設内に進攻すれば人質全員を殺害する」と言っているという。

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