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耳の不自由な女は土地開発業者(デベロッパー)の秘書をして、さえない退屈な日々をもてあましていた。上司の薦めもあって、不安定な彼女を補佐する人間を雇うことにしたのだが、雇用を求めてきた男は刑務所を出所仕立てのやくざな男だった。男は義務付けられた保護監察官との面会を通してその行動を逐一報告していた。最初のうちは彼女の元で雑用を務めていたが、以前の関係者に借金をしていたためその男の経営するクラブでバーテンの仕事につくことになる。しかしそんな中でも彼らはわずかな接触を通して互いに興味を持ち始める。彼は彼女の身に付けた読唇術を、ボスの金を横取りするために彼女を利用しようとするが、彼女のほうは彼の持つその怪しげな雰囲気にますます魅せられていくことになる。
まず映像の適度なブレが好い(笑)1シーンが長くて彼らの息遣いまでがひしひしと伝わってくるかのようである。躊躇いとか思案とかそういう微妙な時間と距離が巧く再現されている。「ジェヴォーダンの獣」「クリムゾン・リバー」等のヴァンサン・カッセルの特徴的な顔は何時見ても忘れられない。 エマニュエル・ドゥヴォスのアンニュイな感じがまたすばらしい。作品の流れとしてはいわゆる“オチらしいオチ”がないのがとてもよかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/10/30 11:24:26 PM
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