365日、逢魔ヶ刻。

食玩ブームもすっかり『定着』した感があるが
俺は滅多なコトじゃ手を出さないできた。
フィギュアに追いやられて箱の隅の方で
押しつぶされて全く存在感がないけれど実はコレが主役のお菓子
という『オマケ付お菓子』だったはずなのに～な、
本末転倒ぶりが何ともナットクがいかないのと、
いみぢくも広告屋のハシクレとして
そうそうメーカーの仕掛けに乗ってたまるか、
という気概を持っていたいから。
この二つの理由で今まで食玩にハマったことなどなかった。
なかった。
なかったのに。

『梅図かずおの世界』彩色済みフィギュア全9種＋シークレット

なんてモンが登場してしまったのね、とうとう。
パッケージの煽りコピーなど
『さくら…　悪いけどあなたには人生なんてないのよ』だ。
これはタマラナヒ。
コンビニの商品棚でこれを見つけた途端、
その場に立ち尽くしてしまった。

梅図世代、というものがあるのかどうか知らないが、
少年時代のある時期、梅図マンガの世界で
非常に濃厚に過ごしたクチだ。
『まことちゃん』が大ヒットするよりも前から
タマミに引きつり、
漂流教室の先の見えない不透明感に心を揺さぶられ、
アゲインのじいちゃんっぷりに大爆笑したことは
未だに身体が覚えてる。

で、買ってしまった。
箱の中から出てきたのは、『漂流教室／池垣くん』だ。
おおぉっ。
…覚えてないな、池垣くん。
でも、ま。いいや。
早速、仕事場の机の前に飾ってみた。
もう、これで社内のメンバー達の机まわりに転がってる
フィギュアやらキャラのことは言えない。

明けて今朝。出勤途中にコンビニに寄った。
今日飲むお茶を買いに入ったのだが
視界の隅で『梅図』をとらえてしまった。
お前、昨日買って今日もじゃ、いくらなんでも
メーカーの罠にハマりまくりじゃん。
あれほど躍起になってシリーズ揃えてるヤツのこと
ばかにしてたクセに。

買ってしまった。
しかも中身は昨日この手で組み立てた『池垣くん』だ。
騙されやすい性格ですか？
はひ。